2017 Fiscal Year Annual Research Report
The role of IGFBP6 in periodontal tissue regeneration by adipose tissue-derived multi-lineage progenitor cell transplantation
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16K20669
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
沢田 啓吾 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (70733054)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 歯学 / 再生医学 / 歯周再生医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、ADMPCが産生するTrophic因子が歯周組織構成細胞の細胞機能を制御する分子機序について検討を行っている。平成29年度の研究成果について以下に報告する。まず、ADMPC由来のTrophic因子が歯周組織構成細胞の炎症反応制御に及ぼす影響について解析を行った。すなわち、ADMPC培養上清が歯肉上皮細胞における炎症性サイトカインの産生を制御するか否かについて解析を行った。歯肉上皮細胞にADMPC培養上清を添加した後にP.g LPSで刺激を行い、歯肉上皮細胞の培養上清の回収を行い、IL-8のタンパク発現をELISA法にて解析を行なった。その結果、ADMPC培養上清添加群は対照群と比較して、IL-8の発現低下を認めた。次に、ADMPC由来のいかなるTrophic因子が歯周組織構成細胞の細胞機能に影響を及ぼすか検討するために、網羅的プロテオーム解析を行った。すなわち、ADMPC、線維芽細胞の培養上清の回収を行い、各培養上清に含まれるタンパク質をLC-MS/MSによるプロテオーム解析を用いて網羅的に解析を行った。その結果、計550個のタンパク質が検出され、ADMPCが線維芽細胞よりも多く発現しているタンパク質として、Periostin、COMP(Cartilage oligomeric matrix protein)、Fibronectin、NRP-1(Neuropilin-1)等が検出された。Periostin、COMP、Fibronectinは歯根膜細胞で高い発現が確認されているECMタンパク質であり、NRP-1は血管内皮細胞を活性化し、血管新生を誘導することが報告されている。これらの結果から、ADMPC培養上清中に含まれるこれらのTrophic因子が歯根膜細胞や血管内皮細胞を活性化することで歯周組織再生に関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)