2016 Fiscal Year Research-status Report
IL-34二量体のCSF-1受容体を介した多様なシグナル伝達機構の解明
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16K20685
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
川邊 睦記 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (10760720)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | IL-34 / CSF-1 / 歯根膜細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
新たに購入した歯根膜(PDL)細胞株を腫瘍壊死因子(Tumor necrosis factor-α;TNF-α)で刺激し,0,12,24,48時間後のPDL細胞からTRIzol Reagent(Life Technologies)にてRNAを抽出し,realtime PCR法にてIL34およびCSF1 mRNAsを評価した.その結果,TNF-α誘導性にPDL細胞は,IL34およびCSF1のmRNAs産生量が上昇した.CSF1のmRNAs産生に比較して,IL34のmRNAs産生は早期に開始した. 健常者より20ccの採血を行い,Ficoll-Paque(GE Healthcare Life Sciences)を使用し,PBMCsを分離した.さらに,得られたPBMCsからHuman Monocyte Enrichment Kit(StemCell Technologies)を用いて,単球/マクロファージ系細胞を分離した.分離した単球/マクロファージ系細胞を96穴プレートに播種した.soluble RANKL (20 ng/mL, Bioindustry Division)存在下で一定期間,RPMI1640培地にて,経時的にrecombinant CSF-1とIL-34二量体で培養した.破骨細胞への分化および成熟はtartrate-resistant acid phosphatase(TRAP) 酵素活性を指標にする染色法で評価した.その結果,recombinant CSF-1と比較し,recombinant IL-34は単球/マクロファージ系細胞への細胞維持能が高かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大学病院における診療業務が多く,研究に対するエフォートが減り,研究の進行がやや遅れている.今後,当初の予定研究成果を遂行できるよう努力する.
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Strategy for Future Research Activity |
今後,TNF-αで刺激したPDL細胞を4日後に回収し,免疫染色法およびWestern blotting法にてIL-34およびCSF-1蛋白質を観察する.さらに産生蛋白質量を定量するために,TNF-αで刺激したPDL細胞の培養上清を4日後に回収し,ELISA法にてIL-34またはCSF-1蛋白質を定量した.同時に,TNF-α刺激によりPDL細胞株が発現する破骨細胞分化への貢献が予測されているMMP3をポジティブコントロールとして定量する.PDL細胞の培養上清刺激後の各時間帯の単球/マクロファージ系細胞由来分化・成熟細胞より蛋白質を回収する.WB法およびELISA法にて,アポトーシス関連分子カスパーゼの蛋白質量を定量する.カスパーゼの経時的変化から,分化・成熟機構と(ミトコンドリア系カスパーゼ9→3→6→7),(細胞膜表面受容体系カスパーゼ8→10→2→3→6→7),(小胞体系カスパーゼ12→3→6→7)および(ストレス系カスパーゼ3→6→7)の関与を証明する.この結果から,CSF-1と比較したIL-34の破骨細胞前駆細胞維持能を考察する.
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Causes of Carryover |
大学病院における診療業務が多く,研究に対するエフォートが減り,研究の進行がやや遅れている.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後,当初の予定研究成果を遂行できるよう努力し,予定通りの使用額を使用する.
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