2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K20694
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
入江 浩一郎 岡山大学, 大学病院, 講師 (50509594)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 常在菌 / 歯周組織 / CD4+T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔常在菌は、歯周組織の構造や免疫応答に影響を及ぼす。常在菌が存在しないGerm-free (GF)マウスは、常在菌が存在するSpecific-pathogene-free (SPF)マウスと比べて、歯肉上皮が菲薄であり、歯周組織中のCD4+T細胞数が少ないことが分かっている。しかし、Lipopolysaccharide (LPS)等の歯周病原菌由来物質に対する免疫応答が、常在菌の有無でどのように異なるのかは、未だ不明である。そこで本研究では、LPSを塗布し、歯周組織における免疫応答の違いを組織学的に検討した。 8週齢のGF雄性マウスとSPF雄性マウスに、LPS塗布前(ベースライン時)(n=4)、また口蓋側臼歯部にLPS(10mg/ml)を塗布してから3時間後 (n=6)、24時間後 (n=6)、および72時間後 (n=6)に、それぞれ歯周組織を採取した。免疫蛍光染色を用いて、歯周組織におけるCD4+T細胞とCD8+T細胞の発現を評価した。また、リアルタイムPCR法を用いて、Toll-like receptor (TLR)4、Tumor necrosis factor (TNF)-α、Chemokine (C-X-C motif) ligand 1(CXCL1)、およびCXCL2のmRNA発現を分析した。 SPFマウスでは、ベースライン時と比べて、LPSを塗布してから3時間後にCD4+T細胞数が有意に増加した (p<0.05)。また、歯周組織におけるTNF-αおよびCXCL1のmRNAは、LPS塗布3時間後に発現のピークを迎えた。一方、GFマウスでは、LPS塗布前後で、CD4+T細胞数に大きな変化はなかった。また、LPS塗布前後のいずれの時点においても、GFマウスの歯肉接合上皮および結合組織中の多核好中球数は、SPFマウスと比べて有意に少なかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
あらかじめ、予備実験のデータを元に研究計画書を作成したため、スムーズに研究を遂行できた。 また研究に専念できる時間が増えたため、効率的に実験が行えたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
予想の計画よりも研究が進展しているため、さらに深みがあり、より確証がもてるような追加の実験を行っていく。
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Causes of Carryover |
次年度に必要な予算であるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品を購入予定である。
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