2017 Fiscal Year Research-status Report
急性期医療の現場を利用した多職種連携に関する教育の効果解析
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16K20695
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
園井 教裕 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (40549862)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 多職種連携教育 / プロフェッショナリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
岡山大学歯学部は,多職種連携の実際を体験するだけでなく,生死の狭間にある患者やその家族と接することで,医療人としてそういった人々に対して主体的に行動できる力を育むことを目的とした実習を行っているが,本研究は,この教育効果を明らかにすることを通じ.さらに効果的な教育方法を探究するものである. 本実習が履修した学生の多職種連携に関する準備状況や志向性に及ぼした影響を調査したところ,実習の履修前後という短期的な結果ではあるが,準備状況や志向性は上昇したことがわかった.本実習は研修歯科医に対してアドバンス版が用意されており,本年度は学生時と研修歯科医時で計2回履修した者についてのデータを揃えることができた.本データを解析し,来年度以降,順次結果を示す予定である. 本実習で一番印象に残っている内容について調査したところ,患者に直接接し,病院内の複数外来へ案内するという役割を担う内容を含む実習を回答した者が履修した学生の中で最も多いことがわかった.本結果及び履修した学生が一番印象に残っている内容として選んだ理由を分析した結果,学生に役割を与えることは,チーム医療の意義を理解するだけでなく,医療人として必要なプロフェッショナリズムを育むことが示唆された. 以上から,本研究を通じた究極的な目標である,全国にチーム医療の現場で活躍できる歯学部生を輩出するには,多職種連携の実際を体験するだけでなく,その中で役割を与えることが必要であり,今後はそういった教育内容について,各教育現場で導入しやすい形を探究する計画である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度に予定した計画について,自らが所属する部署内で対応可能な範囲については概ね達成したが,所属部署以外を巻き込む内容については,調整がなお必要であり,やや遅れている点がある.
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Strategy for Future Research Activity |
シミュレーション教育に関する探究について,当初は本研究の軸となっている実習と同じ歯学部5~6年生を予定していたが,上記実習の履修に伴い,シミュレーション教育単独での教育効果を見ることが困難であること等の理由から,本実習未履修の学年での探究に変更し,シミュレーション教育について探究を進めることとする.
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Causes of Carryover |
学会参加及び発表に関して,当初予定と変更となったこと及び消耗品費等が当初予定に比べて低額でおさえることが出来たため次年度使用額が生じた.生じた次年度使用額及び当該年度として請求した助成金を用いて,学会発表に加え,論文投稿を積極的に行うことで,研究成果の発信を推進する計画である.
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