2017 Fiscal Year Research-status Report
顎口腔サルコぺニアに対応する咀嚼支援型ロボットモデル用センサシステムの構築
Project/Area Number |
16K20701
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
小野 幸絵 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 講師 (60409240)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | フレイル / NIRS / 赤外線サーモグラフィー / 口腔機能 / 介護予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までのレジスタナストレーニングを想定したモニタリングに向けた焦点を拡大し、加齢性筋肉減少症(サルコペニア:Sarcopenia)の予防からリハビリまでの包括的支援に向けたロボットの効果評価までを焦点とした研究デザインで変更を実施した。 具体的には、基本的なサーモグラフィー、携帯型NIRS(近赤外分光分析法)による測定点のターゲティングおよび測定系のデータと、新たな顎形態概形測定緩衝系(3Dスキャンシステムと緩衝材の3Dプリンタ作成)を想定した研究系を対比させて、必要なセンサシステムの要件を確認した。 測定システムから得たデータを、実際に筋廃用的変化(モーターユニット、筋繊維およびサイズ減少、Oxidative代謝タイプ)を反映させ、システム論的文献検証を含め実施した。申請者は、予防手段としてADLの低下者では難しい有酸素運動から、筋マッサージによる血流改善にシフトする事を提案しており、唾液腺マッサージ効果の測定を想定した基礎資料を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本申請で使用している携帯型近赤外分光分析法(NIRS)のシステムドライバは、開発業者に依頼し研究用に4チャンネルにカスタイズしたものを使用している。システムドライバ等の不具合がありこのため測定が遅延し、新規に活用を開始した3Dプリンター(AFINIA3DES360)の慣熟にも時間を要しているため。 またサイバーダイン株式会社に打診しセンサー圧の調整技術について検討して頂いたが、現在の技術では不可能との回答であり現在の進捗状況となった。
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Strategy for Future Research Activity |
将来的な咀嚼支援ロボットや唾液腺マッサージロボットなどには、空気圧アクチュータの活用が必要不可欠と推測するが、空気圧システムの欠点である低剛性、応答遅れ、温度変化変動性など実用化までの課題は多いと考えられる。その課題をクリアにすべく咀嚼支援ロボットや唾液腺マッサージロボットへのセンサーの開発を行い顎顔面領域へのマッサージ効果を3Dプリンター(AFINIA3DES360)とリンクさせ規格化された測定を可能にしていく。 申請者は、口腔周囲の筋肉のうち最も咀嚼に関連する咬筋に対象を絞り、サルコぺニアの前兆的変化等を把握可能な、予知性の高い指標が必要と考えている。これは短期的には介護予防の観点から、筋肉の廃用変化等への対策に寄与すると思われる。また、咀嚼運動を中心とした顎口腔機能支援の定量的かつ直接的評価を可能とするためにも、近赤外分光法(NIRS)による賦活指標を開発することで、咀嚼支援ロボットの要件を検証することも可能になると考えられる。 これらの点を中心に、咬筋部の深部血流動態の変化を引き続き捕捉し、マッサージや機能訓練の効果確認等が可能かを検証し、それら過程から支援ロボット開発等に発展性のある賦活指標の開発に向けた基礎資料の収集を実施したい。 また、得られた基礎資料については、解析が終了したものから日本顎変形症学会等の関連学会に報告したい。
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Causes of Carryover |
(理由)予定では実験群と対照50人以上のデータを収集し、深部血流動態の評価がどの程度客観的に可能か検証し、サーモ グラフィーでの2次元的評価と合わせ顎顔面領域へのマッサージ効果を3Dプリンター(AFINIA3DES360)とリンクさせ規格化された測定を可能にしていく予定であったが、3Dプリンターの慣熟に時間を要しサーモグラフィーとの関連について測定者数が予定より少なかったので経費の使用を抑えることができた。 また研究成果の発表は学会発表のみとし、論文投稿を行わなかったことにより生じた未使用額である。 (使用計画) 近赤外分光分析法(NIRS)のシステムドライバの改修を実施し、ドライバ用PCを安定性の高い機材に変更した。また3Dプリンター(AFINIA3DES360)とサーモグラフィーとをリンクさせ研究期間も限られていることから、予定の対象数を次年度中に確保し測定する予定である。また29年度中に着手できない項目 があったため30年度に行うこととなり研究費を使用する予定である。
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Research Products
(1 results)