2017 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of new oral functional training applied to tongue rotation exercise training for elderly in frailty
Project/Area Number |
16K20702
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
荒川 いつか 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 助教 (30756961)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | フレイル / 口腔機能 / 舌圧 / 筋肉量 / 口腔機能低下症 / 口腔乾燥 |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢とともに全身の筋力や機能は低下し、口腔機能も同様に機能低下が生じることが従来の研究で示されてきた。平成28年度の研究では、65歳以上の地域在住高齢者(健常高齢者)と特別養護老人ホームに入所されている高齢者(施設入所者)を対象に口腔機能と全身状態をそれぞれ比較検討した。その結果ほぼ全ての項目において、施設入所者は健常高齢者より低値を示した。また全身状態においても水分量や筋肉量、SMI(骨格筋量指標)において低下していたことが示された。 平成29年度は同意の得られた研究参加者を対象に新しい口腔機能トレーニングを4か月間実施して頂き、トレーニングによる口腔機能や全身状態への変化を検討した。この口腔機能トレーニングは健常成人で効果があることが以前の研究で示されており、今回そのトレーニング内容を改良し高齢者を対象にした場合の成果を検討した。 トレーニング前、トレーニング中、トレーニング後の各時点での研究参加者の状態を把握できるように口腔機能低下症の診断7項目をそれぞれ測定し、機能低下しているかどうかのスクリーニングを行った。そして健常高齢者と施設入所者を対象に口腔機能トレーニングを実施して頂き比較検討を試みた。 健常高齢者においてトレーニング開始前は口腔機能低下症に該当するものが54%いた。4か月のトレーニングにより42%に減少した。トレーニングを実施したことで特に舌圧と口腔乾燥における項目で改善が有意にみられた。一方施設入所者ではトレーニング前に口腔機能低下に該当するものは100%の全員であった。トレーニング4か月後では90%に減少した。また健常高齢者、施設入居者ともにトレーニング前後では全身状態を評価したBMIやSMIに大きな変化はみられなかった。 以上のことから、機能低下が少ない段階での新しい口腔機能トレーニングの介入は口腔機能改善に効果があることが示唆された。
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Research Products
(1 results)