2016 Fiscal Year Research-status Report
圧取り除きグローブを用いた同一体位における安楽なポジショニングケアの開発
Project/Area Number |
16K20715
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
佐藤 祐貴子 大分大学, 医学部, 助教 (60635366)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 圧取り除きグローブ / 同一体位 / 安楽 / 圧抜き / 準実験研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、長時間同一体位を強いられる際の、圧取り除きグローブを用いた安楽なポジショニングケアの開発につなげることを目的にしており、研究課題1および研究課題2を設定している。研究課題1は、介入プロトコルを作成するにあたり、圧取り除きグローブを用いた介入のタイミングや部位を明らかにすること、研究課題2は、圧取り除きグローブの介入による安楽性の効果を主観的側面と客観的側面の両側面から明らかにすることとしており、本年度は、研究課題1について明らかにした。 介入部位については、健康成人を対象にした2時間の同一体位持続の身体症状の訴えデータの分析から、後頭部、腰部、踵部に圧迫感、痛みがあったことが明らかとなった。介入プロトコル作成時にこれらの部位への配慮を含むことが必要である。 介入タイミングについては、時間を知らせずに同一体位を持続し、限界を感じるタイミングを被験者が訴え、圧取り除きグローブを用いた介入を行うことを2回繰り返す(最大120分)プレ実験を実施した。結果、被験者8名のうち6名が実験開始から40~65分の間に1回目の訴えがあった。実験開始から1回目の圧抜き介入前までの最短経過時間は17分、最長経過時間は64分であり、個人差があった。経過時間の平均は、46.5±15.5分であった。2回目の訴えの経過時間はばらつきが見られ、経過時間の平均は28.3±15.1分であった。安楽の持続時間は、個人差が大きいことは明らかである。介入プロトコルは、個人差を前提としながらも平均的な限界の時間である45分での介入のタイミングで実施することが示唆された。さらに、120分間同一体位を持続した被験者は1名であったことから、120分間同一体位を持続することの被験者の苦痛に配慮し、実験時間は、90分間で行うことで安楽性の効果を測定するよう、実験計画(時間)の修正に関する示唆を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の研究計画に沿って進展している。達成状況は、研究課題1の圧取り除きグローブを用いた介入のタイミングや部位について、先行して実施していたデータ分析およびプレ実験を行った。結果、介入が必要なタイミングや部位が明らかとなり、実験時間に関する一部計画の修正についての示唆も得られた。現在は、介入プロトコル作成に取り組んでいる。次年度は、研究課題2の圧取り除きグローブの介入による安楽性の効果を主観的側面と客観的側面の両側面から明らかにするための実験を実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の研究計画としている研究課題2に取り組む。研究課題2の実験計画についての修正および圧取り除きグローブを用いた介入プロトコルを作成する。これらを踏まえて研究計画書を作成し、所属施設研究倫理委員会の承認を得る。研究課題2における実験では、介入プロトコルをもとに圧取り除きグローブを用いた介入あり群と介入なし群に無作為に割付け、両群の差を検討し、圧取り除きグローブの介入による安楽性の効果を明らかにする。
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Causes of Carryover |
本年度明らかになった介入のタイミングや身体症状の出現部位について、研究発表や論文化を行えていない。成果発表や旅費に係る費用を使用することがなかった為、次年度の使用額が生じることとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
安楽なポジショニングケアに関する文献検索や図書を購入する。さらに研究協力者への謝礼、実験にかかる消耗品が必要となる。実験を遂行するにあたり実験補助や資料整理でアルバイトを一定期間週3回雇用予定である。 ポジショニングケアについての情報収集に関することや、明らかになった介入のタイミングや身体症状の出現部位について成果発表を行うためのポスター等作成費や交通費、宿泊費を予定している。
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