2018 Fiscal Year Research-status Report
脳血流動態を効果指標とした温度を活用した看護援助の開発
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16K20719
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
前田 耕助 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (40736899)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 看護技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳血管障害や認知症の患者の寝たきりや傾眠、昼夜逆転を予防、改善できる看護技術の開発を目指し、脳活動の指標である脳血流量を用いた実験的研究に取り組んでいる。本研究では、日常に存在する温かい温度を用いた脳の活動を促す看護援助の開発を目指し、足部への温熱刺激(以下、足浴)が脳の活動に及ぼす効果を脳血流動態を用いて明らかにすることを目的とする。足浴とは足先から足首あるいは下腿までを温湯に浸して洗う一連の行為を助けたり、代わって洗ったりする看護援助である。足浴は清潔の保持目的以外にも、精神的安寧や入眠促進、疼痛緩和などにも用いられる看護援助である。 2018年度は本研究に関する研究安全倫理委員会の承認を得て、研究対象者を募り、実験を実施した。研究対象者に足浴を実施し、その足浴による刺激が脳血流動態に及ぼす影響を調査した。本研究の検証には時間分解能に優れた近赤外分光法(Near-Infrared spectroscopy 以下、NIRS)と空間分解能に優れた核磁気共鳴画像法(MRI:magneticresonance immaging)のほかに、心拍数や皮膚表面温度、さらには主観的な感覚を確認するためのアンケート用紙を用いた。研究対象者22名を対象に、温度が異なる足浴を10分間実施し、NIRSを用いて足浴中の脳血流動態の変化を観察するとともに、MRIを同期させて脳の領域ごとの変化を観察した。それと同時に、心拍数と皮膚表面温度の計測、主観的な感覚を調査し、足浴の安全性ならびに快適性についても検証した。 現在は実験結果を分析しながら、追加実験の必要性を検討しつつ、看護援助や脳活動に関する学会への論文投稿ならびに学会発表の準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた実験は終了し、現在分析を進めながら追実験の必要性の検討や論文投稿の準備を進めており、当初の予定通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で得られた結果を広く公表するため、関連学会での学会発表ならびに論文を投稿する。
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Causes of Carryover |
当初予定していた実験時間より時間を短縮できたため、1人当たりの謝金額が減り、その分の金額が次年度使用額として発生した。今後、国内、国外での学会発表や論文投稿の費用、追実験を実施する際の謝金として使用する。
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