2016 Fiscal Year Research-status Report
認知症のある高齢者の睡眠覚醒リズム改善への取り組み-足底部への温罨法を用いて-
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16K20722
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
川端 愛野 滋賀県立大学, 人間看護学部, 助教 (60583052)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 睡眠 / 高齢者 / 温罨法 |
Outline of Annual Research Achievements |
一般に高齢者は若年者に比べて睡眠障害を生じやすいと言われる.これは加齢に伴い自律神経の調整機能が低下することで1日の体温の変動幅が小さくなり,睡眠の質が悪化するためである.実際に現在までの研究で睡眠障害を訴える患者は概ね低体温であることが報告されている. これに対し,対象者の身体的負荷が少なく用法も簡便な温罨法を用いて日中の体温を上昇させ,1日の体温の変動幅を大きくすることで睡眠と覚醒のリズムを改善し,睡眠障害を改善することを目的として研究を行う. 温罨法は,同一部位へ長時間接触させて使用することにより熱傷を発症する危険性があることが明らかになっている.そのため平成28年度は研究の事前準備として、研究参加者の皮膚が不可逆的な損傷を受けないよう,安全な方法と温度で温罨法が実施できるように使用する機器の選定や設定温度についての実験と測定を行った。その結果、温度を一定に保つことができる電気式のマットをカバーをかけた状態で使用すること、温度を安全温度と言われる39度に固定して、使用する時間を30分程度に限定することで皮膚損傷の危険性が極めて低い状態で実施できることを明らかとした。 また、今年度は研究に参加協力していただける施設との調整や倫理審査での承認獲得、多角的に比較検討するために先行研究の確認などを行い、次年度からの実施に備えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年は、安全に研究を実施にするために実験環境、実験課題を設定するための予備的実験を行えた。その結果、次年度以降の実験に向けて、実験環境、実験課題等にいくつかの改善点を見つけ、改善策を検討することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年は、実験の対象者を健康成人として順次測定と分析を行っていく予定である。 安全性も踏まえて実施方法に問題がないかの検討を各対象者ごとに行い、改善が必要な場合にはすぐに対処していく予定である。
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Causes of Carryover |
実験開始前に、対象者の安全確保のためにより安全な方法の検討や、倫理審査の承認獲得準備に時間がかかったため、平成28年度に予定していた物品の購入を次年度以降に繰り越したため残金が発生した。次年度以降の物品購入時に繰越す予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度に実験開始のための準備ができたため、平成29年度からの実施に向けて物品購入を進めていく予定である。
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