2017 Fiscal Year Research-status Report
訪問看護師のリスク管理に関する安全教育プログラムの構築
Project/Area Number |
16K20724
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Research Institution | The University of Shimane |
Principal Investigator |
吉松 恵子 島根県立大学, 看護学部, 助教 (30642657)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 訪問看護 / リスク管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、訪問看護師のリスク管理に関する認識と取り組みの現状を明らかにすることを目的に研究を実施した。島根県内の訪問看護ステーションを常勤換算の規模により3群にわけ、研究興梠の得られた訪問看護ステーションの管理者6名に対し、リスク管理についてどのようにとらえているか、実際どのような取り組みをしているのかをインタビュー調査した。対象者6名の平均年齢は54.3±4.2歳であった。リスク管理の実践は,逐語録から341記録単位に分割できた。このうち,目的に適合しない記述,抽象的な記述の162記録単位を除外し,179記録単位を分析対象とした。各カテゴリの記録単位数は「計画」26単位,「動機づけ」34単位,「教育」18単位,「コミュニケーション」37単位,「組織」20単位,「アウトカム」44単位であった。「組織」において,規模別にみると7名以上では医療安全管理者の配置がある一方,5名未満ではインシデントレポートがない事業所もあった。管理者の語りからは,医療安全対策の構築に規模などによる差が生じていることが推察でき,今後,教育やシステム作りなど事業所間が連携していく必要性が示唆された。また、リスク管理について「病院のリスク管理との違い」や「療養者に多様性があるため、個々に合わせた対応の必要性」を感じていた。事前調査の結果と合わせ、リスク管理の現状と背景要因の仮説をたて、訪問看護の安全意識を高めるために急がれる課題を考察し、教育プログラムの内容と評価方法について検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
インタビュー調査を実施する際、事業所の人員不足などの諸事情により、インタビューに協力できる訪問看護管理者との日程調整に時間を要し、調査期間が延期した。また、事前調査の内容、現在のインタビュー調査の結果をもとに、訪問看護の安全意識を高めるために急がれる課題について検討している。検討していく中で、多様な療養者宅の環境や介護力など個々の状況に合わせて、リスク管理を実践していくことが必要であることが考えられる。訪問看護の特徴に合わせた教育プログラムの内容と評価方法について検討するため、医療領域におけるリスク管理のみならず、他の職種で行われているリスク管理について情報を得る必要があり、先行研究や文献により他業種におけるリスク管理について文献検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、文献検討、事前調査、インタビュー調査の結果から、リスク管理の現状と背景要因の仮説をたて、訪問看護師の安全意識を高めるために優先される課題を検討する。その後、安全教育プログラム研修1回目の内容、実施時期の検討を行う。研修の内容は医療安全管理に必要な基礎知識の学習と調査結果により明らかとなったリスク管理の現状や関連する背景要因、課題を分析することで、訪問看護師が使いやすい報告用紙の作成と活用方法を検討する。研修内容の検討とともに島根県内の訪問看護ステーションに研究への参加協力を依頼する。1回目の実施後、各ステーションにて研修内容の伝達講習や報告用紙の試用などの取り組みを実施し、2回目の研修にてインシデント、アクシデント発生時の対応や検討事例の報告等を通し、報告用紙や活用方法の再検討を行う。この一連の流れの成果物としてテキストを作成する。安全教育プログラム実施前後には、参加者の所属する訪問看護ステーションのすべての看護職を対象にアンケート調査を実施する。内容は、ステーションの医療安全体制の変化やインシデント、アクシデントの発生件数と報告用紙の活用実態、訪問看護師のリスク管理に対する取り組みへの参加状況や意識の変化を調査する。 研修の実施に関して、訪問看護ステーションの人員不足等の状況により研究協力者の依頼が困難になる状況が予想されるため、研修内容の検討とあわせて、参加しやすい実施時期や場所等を考慮することとする。
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Causes of Carryover |
(理由) 事業所の人員不足などの諸事情により、インタビューに協力できる訪問看護管理者との日程調整に時間を要し、調査期間が延期したため、結果を平成30年7月に学会発表する予定である。平成29年度に予定していた安全教育プログラム研修を現在検討中の実施内容、評価方法を用いて平成30年に実施する予定のため、次年度分として使用する必要がある。 (計画) 調査内容の分析には訪問看護、リスク管理に関連した幅広い領域での知識が必要であり、研究進行に応じた関連図書の購入を予定している。また、研究成果を国内の学会で発表する予定とし、旅費および学会参加費として使用する。安全教育プログラムの研修の実施には会場費、研修会実施補助のための人件費等が必要である。
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Research Products
(2 results)