2018 Fiscal Year Research-status Report
若年冷え症女性における副交感神経活動リザーブを高める看護介入の実証研究
Project/Area Number |
16K20731
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
河野 かおり 獨協医科大学, 看護学部, 講師 (60619625)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 冷え症 / 若年女性 / 温熱刺激 / 副交感神経活動リザーブ / 自律神経活動 / 末梢循環 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体は、自律神経の拮抗調節により恒常性を維持している。副交感神経活動リザーブとは、生体が持つ防御能である。我々はこれまでに、足浴や温罨法といった温熱刺激や、深くゆっくりとした呼吸法(Slow Breathing Exercise:SBE)が一過性に副交感神経活動を高めることを明らかにした。これらの介入を継続的に行うことで、副交感神経活動リザーブを高めることができるのではないかと考えている。 本研究の目的は若年冷え症女性を対象として、温熱刺激とSBEの継続的実施が副交感神経活動リザーブを高めるかを明らかにすることである。平成30年度の研究実施状況としては、はじめに、平成28年度より検討を続けている、若年冷え症女性を対象として保温機能のある足浴器を用いた温熱刺激の単回効果の検証を引き続きおこなった。その結果、足浴後には足浴前に比べて副交感神経活動の亢進、心拍数の低下、末梢皮膚温の上昇、末梢血流量の上昇がみられた。 次に、この足浴器を用いた温熱刺激の継続効果を検討した。介入群3名について9~13週間の継続的温熱刺激を行い1週間ごとに自律神経活動指標と末梢循環動態を評価した。また、温熱刺激を行わないコントロール群の評価も行った。その結果、評価時期の特定と、継続的介入を行う時期の外気温の影響について課題が生じた。評価時期については、被験者個人の性周期の特定を厳密に行うこと、継続介入を行う時期については、外気温の変動が少ない時期に限定する必要が示された。 翌年度の実施計画としては、現在進行中である温熱刺激の継続効果の検証について、課題を踏まえた上で対象者数を増やした検討を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の対象者は若年女性であり、性周期を特定した上で測定時期を決定し、さらに被験者と研究者のスケジュール調整を行って測定日時を決定している。そのため、十分な被験者数を確保することができなかった。今年度も対象者を募り、継続的温熱刺激の生理学的効果の検討を続けており、平成30年度研究実施計画である「若年冷え症女性の継続的SBE効果の検証」については、実施できていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
若年冷え症女性における継続的温熱刺激の生理学的効果の検証を、介入群とコントロール群の被験者数を増やして検討する。研究を遂行するにあたり生じた課題については以下のとおり対応する。 1.被験者の性周期の特定 継続的温熱刺激を開始する6か月前から、被験者が基礎体温を測定・記録し、それを基に自律神経活動指標・末梢循環動態を評価する時期を厳密に特定し、測定日を決定する。 2.継続的温熱刺激の介入時期 季節性の外気温の変動が少ない12月~2月に限定して行う。
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Causes of Carryover |
継続的温熱刺激として温湯式足浴器を選定したが、被験者数の確保が困難であり、温湯式足浴器の購入額が予定金額に満たなかったため。また、研究結果の発表ができなかったため、旅費の支出がなかった。次年度は、温湯式足浴器の購入、関連書籍の購入、測定に使用する消耗品、研究成果の発表に関する旅費に使用する予定である。
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