2016 Fiscal Year Research-status Report
就任初期の看護師長の経験学習促進プログラムの開発と評価
Project/Area Number |
16K20734
|
Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
倉岡 有美子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 助教 (30584429)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 看護管理者 / 看護師長 / 経験学習 / 看護管理能力 / プログラム評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
はじめに、管理者の経験学習に関する文献検討と予備研究(優れた看護管理実践をしている看護師長を対象とした自己を成長させた経験に関するインタビュー調査)をもとに「就任初期の看護師長を対象とする経験学習を基盤とした看護管理能力開発プログラム」を開発した。 次に、看護師長相当の職位に就いて3年以内の看護師長とその上司10組を対象に、パイロットスタディを実施しプログラムの改善を行った。 続いて、研究者の所属する機関での研究倫理審査委員会にて本研究計画の承認を受けた。研究協力の得られた26施設に所属する就任初期の看護師長とその上司73組を対象にプログラムを実施した。まず、プログラム参加者に対して、研究者より経験学習に関するレクチャー(30分程度)を行い、経験学習ガイドブックと経験学習ノートを提供した。その後、4か月間、参加者に経験学習ノートの記述をして、記述内容を上司と共有しフィードバックを得るよう依頼した。 プログラムの評価として、プログラム参加前後に質問紙調査を実施した。質問紙の1つである経験学習尺度の事前事後の伸びが大きかった上位10人を抽出して、10人が記述した経験学習ノートの記述内容の分析とインタビュー調査を実施した。 その結果、経験学習尺度 (p=0.001)、経験学習知識テストの得点に有意な上昇(p<0.001)がみられ 、さらに、管理者の基本的能力尺度 (p=0.002)に有意な上昇がみられた。また、重回帰分析で「経験学習」から「看護管理能力」に有意な関連性 (p<0.001) が示された。インタビュー結果から、看護師長および上司が認識したプログラムの経験学習への影響として肯定的側面が抽出された。一方で、参加者による教材の有用性と満足度への評価から、プログラムの有用性に関する課題が明確となった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
プログラムを開発して、定量的定性的双方の評価まで行うことができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究で使用した看護管理能力尺度の妥当性を十分に検証することができなかったため、信頼性と妥当性を検証するための大規模調査を実施する。 また、国際学会学術集会での報告や学術学会誌への投稿を行う。
|
Causes of Carryover |
本研究の結果分析に時間を要したため、国際学会学術集会での報告を行うことができなかったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
国際学会学術集会での報告、国際学術誌への投稿を行う。また、本研究で使用した看護管理能力尺度の信頼性と妥当性を検証するための大規模調査を実施する。
|