2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development and Evaluation of an Experiential Learning-based Program among Nurse Managers in Their Early Years in Supervisory Roles
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16K20734
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Research Institution | The Japanese Red Cross Kyushu International College of Nursing |
Principal Investigator |
倉岡 有美子 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (30584429)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 看護管理者 / 看護師長 / 経験学習 / 看護管理能力 / プログラム評価 / プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、就任初期にある看護師長を対象に、経験学習促進プログラムを開発し評価することを目的として取り組んだ。まず、経験学習に関する文献検討を行い、予備研究の結果をふまえ、プログラムを開発した。プログラムの名称は、プログラムの目的を反映できるよう「就任初期の看護師長を対象とする経験学習を基盤とした看護管理能力開発プログラム(以下、プログラム)」とした。プログラム内容は、看護師長とその上司に経験学習の情報提供と経験学習のプロセスを可視化するツールである経験学習ノートの提供をして、4か月間、看護師長にノートの記述を、上司に記述へのフィードバックを求めた。 プログラムの評価として、プログラムに参加した63人に対する事前事後テストデザインの準実験研究を行った。アウトカム評価は、経験学習、経験学習に関する知識、上司からの支援、看護管理能力、SOC (Sense of Coherence) を、それぞれの尺度を用いて事前と4か月後の事後で測定した。 事前事後テストでは経験学習尺度に有意な上昇がみられ、経験学習知識テストの得点に有意な上昇がみられた。さらに、管理者の基本的能力尺度、下位尺度「コミュニケーション能力」「計画能力」「意思決定能力」「部下育成能力」に有意な上昇がみられた。また、重回帰分析で、「経験学習」から「看護管理能力」に有意な関連性が示された。 理論的な知見として、看護師長が経験学習を行うことによって看護管理能力を向上させるという関係が示された。さらに、実践的な知見として、これまで看護管理者の経験学習を促進するための体系化されたプログラムはなく、経験学習ノートの記述と上司による支援を取り入れた本プログラムは、就任初期の看護師長の経験学習の促進、経験学習に関する知識の向上、看護管理能力の向上への有効性が示された。
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