2017 Fiscal Year Annual Research Report
Association between repetition of touching and oxytocin secretion
Project/Area Number |
16K20735
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
白田 真奈美 東邦大学, 看護学部, 非常勤研究生 (80738229)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | タッチング / オキシトシン / コルチゾール |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、看護師の行うタッチングによりオキシトシン分泌が促進されるのか、また、タッチングの反復によるオキシトシンの分泌の実態を明らかにすることである。 平成28年度は、パイロットスタディを実施し、実験環境、介入方法、測定内容を研究計画立案当初より一部変更した。また、研究施設の倫理審査委員会への申請と平行し、調査に必要な物品、試薬、測定機器、 資料等を準備した。 平成29年度は研究協力者を募集し、調査を開始した。本研究では実験群と対照群を設定して調査を行った。研究方法は、健康に障害のない20~30歳代の成人女性12名を対象に、研究者がタッチングを5回繰り返し実施した。タッチングの介入による変化を、唾液オキシトシン濃度・唾液コルチゾール値・血圧・脈拍の測定による客観的評価、POMS短縮版を用いた主観的評価を用いて調査した。データの収集は1・3・5回目の介入前後に実施した。 実験群においては、タッチング前後の唾液中オキシトシン濃度、唾液コルチゾール値には有意差はなかったが、コルチゾールはタッチングにより減少する傾向がみられた。実験群と対照群の比較では、客観的指標である唾液中オキシトシン濃度、唾液コルチゾール値、血圧、脈拍においてタッチングの介入による有意差は見られなかった。しかしながら、心理的指標であるPOMS短縮版は全ての項目において、対照群と比較し実験群の方が平均値が低く、「緊張―不安」は対照群と比較し実験群が有意に低かった。 本結果より、タッチングが対象者の緊張や不安を和らげることが明らかとなったが、タッチングの反復による客観的指標への影響の検証には至らなかった。しかしながら、有意差は認められなかったもののタッチングによる唾液中オキシトシン濃度の上昇、唾液コルチゾールの低下が数例見られており、より多くのデータを収集し検証を継続する必要があると考えている。
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