2016 Fiscal Year Research-status Report
インフォームドコンセントに関わる看護師のための教育プログラム開発
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16K20743
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
田島 康子 福岡大学, 医学部, 助教 (80707505)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | インフォームドコンセント / 看護師 / 教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、インフォームド・コンセント(以下IC)に関わる看護師のためのIC教育プログラム開発である。平成28年度は、研究の第一段階として、全国の病院で行われている看護師を対象としたIC教育の内容・方法を明らかにするために質問紙調査を行った。 所属大学の倫理委員会の承認を得て、全国の病院(国公立病院やがん診療拠点病院)のうち、無作為に600施設の教育担当看護師もしくは看護部長に無記名自記式質問紙を送付し回収した。現在、その一部である国公立病院のデータについて、分析途中である。全国の国公立病院(国立、都道府県立、市町村立)460施設のうち、144施設から回答があった(回収率31.3%)。病院の種類は市町村立52%、都道府県立29%で、回答者の職位は、看護師教育担当者60%、看護部長27%であった。また、病院内に看護師教育担当者がいる施設は85%、がん専門看護師がいる施設は27%であった。 看護師の実践が不十分と答えたのは69%、看護師の教育が不十分と答えたのは81%と多くを占めた。IC教育については、新人対象の教育を実施しているのは13%、新人以外対象の教育を実施しているのは15%と少ないことが明らかになった。 教育内容については、新人対象の教育で最も実施されている内容は「患者の意思決定のプロセス」であり、新人以外対象の教育で最も実施されている内容は「ICに関わる看護師の役割」であった。一方、両者ともに、ICに関する記録やICの歴史に関する内容が少なく、これらはICの基礎的知識の一部であり、教育の不十分さが伺えた。現在、これらのデータについて、統計ソフトを用いた統計処理を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通り、平成28年度は第一段階として全国の病院で行われている看護師を対象としたIC教育の内容・方法を明らかにするために質問紙調査を実施、回収することができた。また、IC教育に関する文献検討及び平成28年度に実施した質問紙調査の結果について、学会にて発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、平成28年度の第一段階の調査について、回収した質問紙調査の統計的分析を進め、学会発表および論文投稿を進める。さらに、第二段階の調査として、ICに関わる看護師の知識や看護実践を明らかにするための調査を行う予定である。なお、産前産後休暇、育児休暇取得のため、平成29年度途中から約1年間は研究活動を一旦休止し、平成30年7月から再開する。
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Causes of Carryover |
おおむね予定通りに使用しているが、平成28年度は質問紙の入力に関する業務をデータ入力業者に依頼したため、人件費の支出が無かった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後は、研究計画に基づき第二段階の調査として、臨床看護師を対象としたICに関する質問紙調査を予定している。そのための質問紙作成費、郵送費、データ入力等の費用が必要である。また、ICは海外の概念であるため、文献考察がさらに必要であり、文献及び図書費が必要である。また、学会発表や論文投稿に関する費用に支出する予定である。
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