2018 Fiscal Year Research-status Report
食道癌患者の周術期から外来看護への継続した栄養評価の検証
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16K20744
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
下田 智子 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (60576180)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 看護学 / 周手術期看護 / 栄養学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、周手術期の食道癌患者の入院から退院後外来治療を受けるまでの一連の過程において、経時的栄養評価と患者の回復過程との関連を明らかにすることである。 これまでに食道癌患者の周手術期における栄養状態を栄養摂取経路別(経口摂取、経鼻・経腸投与、経静脈投与)にモニタリングし、客観的データ(摂取量と体組成(Body mass index(BMI)、骨格筋・体水分量など)や血液データ、合併症、看護必要度)を評価した。その結果、栄養状態と体組成の評価は、①BMIが高値(BMI≧25)の患者は、低値(BMI<25)の患者と比較し、骨格筋量が多い。また、BMIが高値の患者は、術後に骨格筋量を維持できていること、②骨格筋量の維持と看護必要度(手術後3、7、14日後を経時的に評価した)は、関連が低いことが明らかとなった。したがって、入院中は、手術前後の骨格筋量が維持できていることと栄養状態の維持との関連が示唆できる。一方で、入院から退院後の経時的栄養状態と患者の回復過程の関連は、栄養状態のいくつかのパターンに影響を受けるようだ。そのパターンは、入院中の栄養摂取経路である経口摂取、経鼻・経腸栄養、経静脈栄養のどの経路を退院後に使用するかによって決まる。入院から退院、退院後の外来治療の一連の過程における栄養状態をさらに検討したい。しかし、調査依頼していた場所の病棟の再編成等により、本研究課題に加えて、調査場所の再検討が必要となった。検討した結果、①食事の作り方や②チームでの介入方法に多様性があることが明らかとなった。①食事の作り方は、施設に設置する機器の差違によって影響を受ける。また、②チームの介入について、現在検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2017年度に調査依頼していた調査場所の検討が必要となり、フィールドの再検討を行ったため、予定よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
周手術期の栄養管理における栄養サポートチームの介入による患者への栄養状態の影響について、検討を進める。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、調査場所の調整により、予定通りの研究が進まなかったためである。使用計画は、調査の調整を行い予定の研究を進める。もし、調査場所の調整が進まなかった場合は、現時点で明らかとなっている研究結果を発表するための英文作成(英文校正等)に研究費を使用するように計画を修正する。
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