2016 Fiscal Year Research-status Report
がん患者が「最期までその人らしく生きる」を支える日本型ACP看護支援モデルの構築
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16K20751
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹之内 沙弥香 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (00520016)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 意思決定支援 / 看護倫理 / アドバンス・ケア・プランニング / エンド・オブ・ライフ・ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、外来化学療法を受ける進行肺がん患者を対象に、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)のプロセスに纏わる体験やおもい、今後どのような支援を希望するかについて、混合研究法を用いて多角的に検討する。それにより、日本の文化的背景を配慮したがん患者への日本型ACP看護支援モデルを構築する。このモデルに基づき看護師が多種職連携及び地域連携を調整し、適切にACPを支援できることにより、患者の人生の最終段階における医療に関する希望が尊重され、「最期までその人らしく生きる」ことに貢献できることを目指すものである。
今年度は、先行研究に基づき、進行がん患者がACPに対して抱く想いについてインタビューガイドを作成し、倫理審査委員会による審査を受けた。 インタビュー調査においては、特定機能病院であり1,000床以上の病床数を有する施設の病院の外来化学療法室に通院する進行肺がん患者を調査対象者とし、ACPのプロセスにまつわる体験やおもい、今後どのような支援を希望するかについて、研究参加に同意の得られた10名の調査対象者から、半構造化面接によりデータを収集した。調査によって得られた音声データを逐語化し、バリエーションを分析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
診療科および関連部局、倫理審査委員会の承認を得るプロセスに長時間を要したことにより、予定よりやや遅れて研究を進めている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、質的データの分析をさらに進め、自記式質問紙法による調査を実施する。それらの分析結果のトライアンギュレーションにおいては、研究協力者のスーパーバイズを得ながら多角的に検討し、進行肺がん患者はACPにおいてどのような経験やおもいを抱き、それらは社会背景や文化的背景にどのように影響を受けているのか。さらに、がん患者が「最期までその人らしく生きる」ことを支えるには、どのようなACPの在り方及び看護支援が望まれるかを明らかにする。
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Causes of Carryover |
前項までに記載した現在までの達成度の理由の通り、本研究の進捗がやや遅れているため、次年度使用額が予定より大きくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
自記式質問紙法による調査実施のために、印刷費及び郵送費、人件費・謝金、消耗品を要する。またデータ解析に必要なパーソナルコンピューターや解析ソフト及び書籍を購入する。さらに、分析結果に関するトライアンギュレーションのために会議を国内で開催する。研究成果について公表するための学術誌への報告費用に加え、関連学会における発表に係る旅費も計上している。
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Research Products
(3 results)