2016 Fiscal Year Research-status Report
シャント発声患者のQOL向上を目指した教育プログラム開発
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16K20752
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
三好 雅之 鳥取大学, 医学部, 助教 (60632966)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | シャント発声 / 生活上の困難 / シャント / 人工鼻 / コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
【はじめに】本研究は、頭頸部進行癌等による喉頭全摘出術後でシャント発声を行っている患者のQOL向上を目指した教育プログラムを開発することが目的である。初年度、計画していたシャント発声患者の生活上の困難を明らかにする研究を行った。 【方法】対象者は、頭頸部外科外来に通院し、シャント発声を行っている患者8名。データ収集は半構造化面接法を用いた。調査内容は、「シャント発声により起きている生活上の困難やその思いに関すること」について自由に語っていただいた。内容をコード化し、サブカテゴリーからカテゴリーヘと抽出した。 【結論】シャント発声患者の生活上の困難として、28のサブカテゴリー、14のカテゴリーを抽出した。カテゴリー内容は、<痰の対処が大変>、<痰によって声を出せなくなることが辛い>、<痰がシャントにつまり、息苦しくてつらい>、<シャントのケアが面倒>、<外来へ通い続けることができるか心配>、<人工鼻の交換が大変>、<気管孔や人工鼻への人からの視線が気になる>、<コミュニケーションがとりづらい>、<自分の発声方法のことを知らない人と話す事は避けたい>、<気管孔や人工鼻について話題にされることを負担に感じる>、<人と話す機会があるかもしれないと思い、なるべく外出は控えたい>、<食事の際に不便さを感じる>、<入浴の際に不便さを感じる>、<睡眠時にシャントに痰がつまり、目が覚めてつらい>が抽出された。 【考察】抽出されたカテゴリーはそれぞれ、痰、シャントケア、人工鼻、外見、コミュニケーション、心理面、食事、入浴、睡眠に関すること等であった。特に、生活上の困難として痰、外見、コミュニケーション、心理面に関する内容が多く、QOLに影響を及ぼしていることが考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象者からのデータが順調にとれたことから、おおむね当初の研究計画通りに進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目に計画している研究について対象者数が足りない場合、他病院への依頼も考慮する。
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Causes of Carryover |
論文作成のための和文英訳校正を本年度実施しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文作成に向けた和文英訳に活用する。
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