2019 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on Life and Support System for Elderly Diabetic Patients while Receiving Home Care
Project/Area Number |
16K20753
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
寺尾 奈歩子 愛媛大学, 医学系研究科, 助教 (40727450)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 高齢糖尿病患者 / 在宅療養 / 介護支援専門員 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、病院で実施されている糖尿病療養指導を患者が在宅で適応する際の課題や訪問看護の導入が必要な対象者の特性を明らかにすることで、高齢糖尿病患者のセルフケア支援と合併症の早期発見を目的とした訪問看護の導入を検討するための基礎資料とすることである。調査①として、介護支援専門員が在宅療養中の高齢糖尿病患者を支援する際に感じている血糖コントロールを困難にしている要因を明らかにすることを目的としてインタビュー調査を実施した。データは、介護支援専門員の経験年数が5年以上で高齢糖尿病患者と関わった経験のある介護支援専門員を対象に半構成的面接調査により収集した。11名の介護支援専門員からデータを収集した。 データを質的に分析した結果、介護支援専門員が在宅療養中の高齢糖尿病患者を支援する際に感じている血糖コントロールを困難にしている要因として、【家族も介護や自分の生活に精一杯の状況】、【患者が生きがいや役割の喪失による糖尿病療養をへの諦め】、【患者や家族が社会的支援を受けることによる抵抗感】、【加齢に伴う身体・認知能力の変化による糖尿病療養の限界】、【半世紀以上に渡る生活習慣を変えられない】、【併存疾患の多さによる糖尿病療養の複雑さ】、【本人や家族の糖尿病療養の努力が報われない医療者側の課題】、【社会的支援を受ける上での経済的問題や受け入れ施設の制限】が挙げられた。この結果から、介護している家族も支える支援の重要性、患者が生きがいを再獲得するための支援、糖尿病療養の支援の前に患者の生活環境を整えることの重要性、早期から在宅で患者を支える医療者全てが関わることの重要性、関係職種間との連携の窓口となる看護師の役割の重要性が示唆された。
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