2017 Fiscal Year Research-status Report
心不全の再入院予防における包括的資源構築型アプローチの効果
Project/Area Number |
16K20774
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
北村 幸恵 順天堂大学, 医療看護学部, 助教 (10773731)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 心不全 / 継続介入 / セルフマネジメント / 資源構築 / 再入院予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、入院・外来の継続した関わりによって、患者側がその介入から自らの中にどのように蓄積させ、セルフケアを構築しているかを明らかにすることを目的としている。また各時期に必要な教育を心不全患者が受けることでセルフケアに必要な知識を高め、療養環境変化に対応するマネジメント能力を向上させることで再入院予防を目指した取り組みである。 平成29年5月に倫理委員会の承認を得て、研究対象者に研究概要、目的、期間、倫理的配慮を口頭および、文書を用いて説明を実施した。承諾が得られた患者に対して看護介入を開始した。 患者選定においては、年齢、性別をマッチングさせ、A群、B群と割り付けを実施。初回心不全の急性増悪で入院した両群の研究対象者に対して、現行の心不全教育教材をブラッシュアップしたものを使用し、強化的に患者教育を実施した。内容においては、入院直後の身体症状や日々の変化を感じ取れる内容とし、また自己の心機能や基礎疾患を認識できるものとした。退院後においては、介入A群では、循環器内科外来診察後、慢性疾患看護専門看護師または、慢性心不全看護認定看護師が継続的に外来にて介入を実施している。外来介入では、現行の教育内容を、日常生活の中にどのように組み込んでいけばよいのか、心機能などの身体状況に合わせた生活変化に対応できる内容を実施している。介入B群においては、医師による通常の外来診察を実施している。現在、研究対象者は全て退院することができ、初回外来を終了している。本研究の目的①では、介入におけるQOLや精神健康状態に変化があるのかをアウトカム指標としており、研究目的②では、インタビューからセルフケアを生活の中に構築しているかを今後、半年後、一年後と外来で質問紙およびインタビューを実施して分析していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
介入開始時期にばらつきがあるため、終了時期が異なるがおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在継続介入中であるため、半年外来、一年後の外来における質問紙およびインタビューから、精神健康状態、QOLを分析していく予定である。またインタビューからは、継続介入から、自己の生活に合わせてセルフケアを変化させてることが出来ているのかを明らかにしていく予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は教育教材のブラッシュアップに時間がかかり、パンフレットの構成、イラスト、印刷代の支払いは平成30年度となる。また介入開始時期の違いから、インタビュー実施の時期に違いがあるため、次年度はテープ起し費用も本年度よりもかかる。来年度は、研究分析および学会での発表を予定しているため予算を必要とする。
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