2018 Fiscal Year Research-status Report
看護介入における、より簡便で実用的なタバコ渇望感尺度の開発と妥当性の検討
Project/Area Number |
16K20777
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
谷口 千枝 愛知医科大学, 看護学部, 講師 (60738251)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 渇望感 / TCI / QSU-Brief / 禁煙成功率 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本の禁煙治療を行う6施設で、12週間に5回の禁煙治療を受けた患者を対象に、本研究で開発した渇望感の指標:Tobacco Craving Index (TCI)と喫煙状況との関連性について調査した。対象となった喫煙者は、男性702名(69.4%)、女性309名(30.6%)であった。高ニコチン依存を示すFTND7点以上の者は全体の45%を占めた。TCIの値は、初回から最終回の診療までの間、継続して喫煙状況と関連をしていた。禁煙した者は喫煙を継続した者に比べ、統計学的有意にTCIの平均値が低かった。禁煙治療初回から最終回までのTCIのグレード0と1をreferenceとして、グレード2、グレード3の最終回禁煙調整オッズ比を多変量調整ロジスティック回帰分析で算出した。すべての診療回で、グレード0、1に比べてグレード2、グレード3は統計学的有意な線形の禁煙率の減少を示し、オッズ比はグレード2、グレード3の順にそれぞれ、初回:1.02、0.62、2回目:1.01、0.37、3回目:0.78、0.19、4回目:0.54、0.11、5回目:0.33、0.01であった。この研究から、TCIは禁煙治療において禁煙成功率を予測する指標だということが明らかになった。 加えて、上記のうち1施設の禁煙外来で、TCIと従来からある質問項目が多い渇望感の指標:QSU-Briefの2種類を比較した。対象は85名のバレニクリンによる禁煙治療を受けた喫煙者とした。TCIとQSU-Briefは、2回目から最終回において高い相関を示した(初回から最終回までの相関係数:0.27, 0.55, 0.72, 0.58, 0.68)。また、全ての診療のTCIとQSU-Briefの平均値はよく似た禁煙オッズ比であった。TCIはQSU-Briefと比べ、より簡便な指標であり、臨床で使用するには適した指標であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究自体は全て終了したが、論文が現在rejectされたことにより、書き直しを行っている。そのため、論文の修正に今年度延長をしている。研究はおおむね順調に進展したと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
調査自体は全て終了している。今後は、上記2つの研究結果について論文作成をし、投稿していく。
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Causes of Carryover |
調査は全て終了しているが、昨年度論文がrejectされ、今後も投稿を続けるために次年度へその論文の英文校正料のみ繰り越した。
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Research Products
(4 results)