2018 Fiscal Year Research-status Report
統合失調症者の家族レジリエンスを高めるための看護支援プログラムの開発
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16K20787
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
川口 めぐみ 福井大学, 学術研究院医学系部門, 講師 (40554556)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 統合失調症者 / 親 / きょうだい / レジリエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、統合失調症者家族が統合失調症者の発症からどのような経験をし、その経験とどのように付き合いレジリエンスを獲得してきたのかを明らかにすることを目的とした、家族へのインタビュー調査を実施した。2017年度は、統合失調症者との続柄を問わずにリクルートしたものの、対象者は家族の中でも親が中心であった。そのため、2018年度は、統合失調症の好発年齢である青年期に統合失調症者と生活を共にしていたことが考えられる統合失調症者のきょうだいに限定し、きょうだいの経験に関するインタビュー調査を実施した。その結果、2018年度内にきょうだい4名のインタビュー調査を終了している。 現時点できょうだい4名のインタビュー調査の結果と親の結果を比較すると、親ときょうだいによってこれまでの経験、統合失調症者へのかかわり方に違いが見られた。また、きょうだいも統合失調症者の発症を契機として親とは異なった困難を持っていることや辛さを経験していることが明らかとなった。さらに、今後、統合失調症者へのケア役割を担うことについてきょうだいなりの思いの語りもあった。 これらのことから、統合失調症者の家族レジリエンスを高めるための看護支援プログラムの作成を行う上では、統合失調症者との続柄についても考慮し、それぞれに合わせた看護支援を検討することが重要であることが考えられた。 また、2016年度から2017年度に実施した家族レジリエンスに関するアンケート調査の結果を学術集会で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2017年7月21日から2018年9月30日まで産前産後休暇・育児休暇取得による研究中断時期があった。そのため、当初その時期に予定していた家族へのインタビュー調査を本年度内に終了することが出来なかった。そのため、現在も統合失調症者の家族レジリエンスを高めるための看護支援を検討するために統合失調症者のきょうだいを対象として、きょうだいの経験に関するインタビューを継続している。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、2018年度に終了できなかったインタビュー調査の継続、およびその結果の分析を実施する。また、インタビュー調査の結果を踏まえ、研究計画当初から2019年度に予定していた統合失調症者の家族レジリエンスを高めるための看護支援プログラムの作成を実施する。
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Causes of Carryover |
産前産後休暇および育児休暇取得に伴い、当初予定していた成果発表のための学会参加を見合わせた。そのため、国内および海外への学会参加費および旅費の使用がなかった。また、インタビュー調査が予定よりも遅れていることから、その謝礼および会場費の経費の使用が予定よりも少なかった。 2019年度、これまでの研究成果発表のため、国内および海外への学会参加を予定している。また、インタビュー調査を継続して実施する。
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