2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K20793
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
竹内 翔子 横浜市立大学, 医学部, 助教 (00758261)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 産褥 / 会陰部 / 温罨法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、産褥早期の女性に対する会陰部温罨法の体温への影響と会陰縫合部痛に対する疼痛緩和効果を検証することである。 本年度は第1段階として、温罨法に関する文献検討とフィールドワークによる研究知見やケアの現状把握を行った。 産褥期の温罨法に関する先行研究では、頸部から背部への温罨法に関するものが多く、温熱シートやホットパックなど様々な方法がとられていた。また会陰部温罨法の効果に関する先行研究では、出産後24時間以内の介入を実施した結果、冷罨法を実施した場合と比較して会陰縫合部の浮腫が増加したことを報告しており、創傷治癒のプロセスを考慮した介入時期の検討や、安全性の視点から、温罨法による有害事象の有無についても測定する必要性が示唆された。さらに、評価指標については温罨法を実施した部位の疼痛緩和効果や気分や不安などの精神的症状などの主観的指標が測定されており、生理学的指標を測定したものは見当たらなかった。 また、古来より産後に温めるケアを実施している台湾の産後ケアセンターでのフィールドワークを行った。産後ケアセンターで実践されている温めるケアは漢方を取り入れた食事の提供であり、冷えを有している場合は漢方医による指導がなされていた。その一方、本研究として取り組んでいる会陰部の温罨法については実践されていなかった。また身体を温めることの効果としては、頭痛や腰痛の改善など、産後の身体的回復を促進する可能性が示唆され、体温だけでなく、身体的症状の測定も必要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は文献検討およびフィールドワークを行い、実践可能な会陰部温罨法の方法を検討し、非妊婦を対象としたプレテストまで実施する予定であったが、文献検討およびフィールドワークの実施に留まった。介入時期や評価指標については重要な示唆を得ることができたが、予定していた具体的な介入方法の検討およびプレテストの実施にまでは至らなかったため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の成果を基盤とし、産褥早期の女性にとって最も効果があると考えられる具体的な会陰部温罨法の実施方法や評価指標、介入時期について検討を進めていく予定である。またプレテストだけでなく、本調査でのデータ収集施設の選定も実施していく。 さらに本年度得られた成果を学会発表や論文投稿により公表することを予定している。
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Causes of Carryover |
本年度の研究がやや遅れたことにより、プレテストの実施に至らず、サーモグラフィカメラや研究協力者への謝金として計上していた経費を使用できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データ収集に必要なサーモグラフィカメラの購入および研究協力者への謝金、データ収集施設までの交通費として使用する予定である。
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