2017 Fiscal Year Research-status Report
はじめて親になる男性が親としての自信を高めていくための看護実践ガイドライン開発
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16K20798
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Research Institution | Yamagata Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
渡邊 礼子 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 助教 (20737415)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | はじめて親になる / 親としての自信 / 父親 / 体験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、はじめて親になる男性の親としての自信に焦点を当て、わが子が生まれてからの1年間の、それぞれの時期における親としての自信の特徴と、親としての自信を高めた経験と喪失した体験を明らかにし、「父親としての自信を高めていくための看護実践ガイドライン」の開発を目的としている。本研究者はこれまで、早期新生児期のおける、はじめて親になる男性の、わが子と関わることによる経験と、面会の頻度や夫婦間のコミュニケーション、親の人格発達などの要因との関係性を明らかにした。父親となっていく過程を継続的に支援するために、これまでの研究結果を基盤とし、さらに発展させていくものである。本研究では、はじめて親になる男性が、わが子の出生後から1年間で、親としての自信が高まった体験や阻害された体験を明らかにし、「父親としての自信を高めていくための看護実践ガイドライン」を開発することを目的としている。そのために以下の目標を挙げる。1つめは、それぞれの時期における親としての自信の特徴を明らかにすること。2つめは、それぞれの時期の親としての自信が高まった体験を明らかにすること。3つめは、それぞれの時期の親としての自信が阻害された体験を明らかにすることである。1~3つめの結果をもとに、「父親としての自信を高めていくための看護実践ガイドライン」を開発し、その有用性を検証する。 平成29年度は、父親、親になること、自信に関する先行研究をもとに、研究計画書、インタビューガイド、研究依頼に必要な書類の作成に取り組んだ。平成30年度の本学看護研究倫理審査委員会へ研究計画書等の提出・審査・承認に向け準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究計画当初では、平成28年度には文献検討および研究の手続きと研究に同意の得られた父親にインタビューを行い生後3カ月の親としての自信の特徴、親としての自信が高まった体験や阻害された体験を明らかにすることまで遂行する予定であった。また、平成29年度には、継続調査に同意の得られた父親を対象にインタビューを行い、生後6カ月の親としての自信の特徴、親としての自信が高まった体験や阻害された体験を明らかにすること、生後12カ月の親としての自信の特徴、親としての自信が高まった体験や阻害された体験を明らかにすることまでを遂行する予定であった。 しかし、平成28年度は勤務する施設が変わり、新しい業務内容を覚えたり、地域の施設や団体とのコミュニティとの関係の構築に時間を費やしたため、研究を十分に進めることができなかった。平成29年度は、新たな講義を担当したりする中で、本学の倫理審査を受ける準備をしていたが、研究者本人の入院・手術による1か月程度の病気休暇があったり、その後復帰へ至ったが、継続した治療が必要でありその中での体調管理などで、思うように研究を進めることができなかった。また、参加を予定していた学術集会についても、研究者本人の体調やスケジュールの調整ができずにすべての学術集会には参加することができず、最新の情報収集が不十分であった。 本年度は、研究計画を見直し、遂行可能かどうかという視点でも考えていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、6月の本学の倫理審査委員会の審査を受け、承認を得る。承認後、プレテストを実施し、インタビューガイドの洗練化を図る。その後、研究の目的、方法および倫理的配慮について文書を用いて説明し、各自治体へ研究協力を依頼する。 9月には、3~4ヶ月健診を受診した妻もしくは夫婦に、研究の目的、方法および倫理的配慮について文書を用いて説明し、同意が得られた対象にインタビューを行い、生後3~4カ月の親としての自信の特徴、親としての自信が高まった体験や阻害された体験を明らかにする。12月から1月には、継続調査に同意が得られた対象者にインタビューを行い、生後6~7カ月の親としての自信の特徴、親としての自信が高まった体験や阻害された体験を明らかにする。 研究計画では本年度が最終年度であるが、期間延長の申請を行う。平成31年度には、継続調査に同意の得られた対象にインタビューを行い、生後12カ月の親としての自信の特徴、親としての自信が高まった体験や阻害された体験を明らかにする。その後、「父親としての自信を高めていくための看護実践ガイドライン(案)」を作成し、就労している父親の現状に即しているか、活用可能なものか等、その妥当性について検証するために、臨床の看護師・助産師・保健師、母性看護、家族看護の各専門看護師、父親支援団体のメンバーを含めたFocus Groupで評価する。そして、「父親としての自信を高めていくための看護実践ガイドライン」に関する報告書及び論文を作成し、学術集会等で発表する。
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Causes of Carryover |
研究計画より進捗状況が遅れてしまったため、次年度使用額が生じた。 平成30年度は、助成金の執行が計画的に行われるようにしていく。
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