2016 Fiscal Year Research-status Report
仮想小児病棟における患児のフィジカル・アセスメントの看護教育システムの開発と検証
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16K20801
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Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
江藤 千里 文京学院大学, 保健医療学部, 助教 (20638259)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 看護基礎教育 / 小児看護学 / フィジカル・アセスメント / インストラクショナルデザイン / シミュレーション教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児は言語能力や認知能力が発達途上にあり、さらに症状が急変しやすいことからフィジカル・アセスメントによる症状の把握や予測が重要とされている。しかし、看護学生は日常において子どもと関わる機会が少なく、短期間の臨地実習では患児の身体に起きている変化について学習する機会は限られている。そこで、看護基礎教育における患児のフィジカル・アセスメントの教育方法を検討する必要があると考えた。 本研究は、看護学生と小児看護学教員の両者の立場からのニーズ分析に基づき、インストラクショナルデザインプロセスに沿って、小児病棟における患児のフィジカル・アセスメントの実践場面を疑似体験できるWebシミュレーション教材を開発する。そして、限られた看護学生の学習経験を補完するための自己学習教材として開発教材を活用し、その有効性を検証する。 28年度は、臨地実習における看護学生の学習状況と小児看護学教員の学内での教授方略の実態調査から、患児のフィジカル・アセスメントに関する教育上の課題を明確にした。そして、導き出された教育上の課題を解決するため、患児のフィジカル・アセスメントの教育内容を設計した。また、看護系大学で使用されているテキストや既存の教材を分析し、発達段階と臨床状況が異なる乳児期・幼児期の患児のシナリオを作成し、Webシミュレーション教材を開発した。開発した学習コンテンツは、看護者としての判断が適切な場合は学習ポイントの再確認を行い、判断が不適切な場合は既習の知識の再確認・患児の反応の意味・アセスメント方法の工夫などをフィードバックし、看護学生が適切な判断ができるまで同じ場面を繰り返し学習できる設定とした。そして、開発したWebシミュレーション教材の試験運用の結果をふまえて、教材の改善の方向性を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インストラクショナルデザインプロセスに準じて、患児のフィジカル・アセスメントに関する教授学習の実態調査の結果から、教育上の課題を解決するための教育内容の設計・開発を行い、開発教材の試験運用を実施しており、現段階ではおおむね順調に進展している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、開発教材の試験運用の結果を基に、患児の発達段階や症状・治療の異なる各学習コースの改善を行い、更なるWeb教材の質向上を目指し、今後も研究を進展させていく予定である。
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Causes of Carryover |
自己学習教材として開発教材を活用する際に、看護学生が使用する可能性のあるデバイスを考慮し、提示する画像の改善を行う必要があるため、次年度使用額として繰り越されている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
開発教材に提示するための画像の改善に必要な物品の購入と、人件費として使用する予定である。
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