2016 Fiscal Year Research-status Report
産褥早期における夜間の授乳に伴う自律神経活動の実態
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16K20805
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
ケニヨン 充子 東邦大学, 看護学部, 講師 (90385568)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 自律神経活動 / 産後早期 / 授乳 / 産後うつ |
Outline of Annual Research Achievements |
産褥早期の女性は、心身の変化が著しく、自律神経活動の乱れも指摘されており心身ともに危機的状況に陥りやすい。これまで、マタニティブルーズや産後うつの原因には、ホルモン・化学物質による影響、自律神経活動の変調などが指摘されている。しかしながら、はっきりとした原因はまだ究明されていない。長谷川(1974)は、褥婦の多くが不定愁訴を訴えており、それはまさに自律神経活動の変調によるものであると述べている。したがって、胎盤娩出に伴う大きなホルモンの変化や自律神経活動の変調が、産褥早期の女性の身体のみならず精神面への変調をきたしている可能性は大きいと考える。産褥早期の女性に対する科学的根拠に基づいたケアを開発するために、夜間授乳をおこなっている女性の睡眠状態と自律神経活動の変動、および気分の変調、産後うつに関する基礎データを蓄積する必要がある。したがって、本研究の目的は、産褥早期の夜間授乳を行っている女性の睡眠状態と自律神経活動の変動について非観血的に測定し、それらの実態について明らかにする。さらに、夜間の授乳による自律神経活動の変調と気分の変調、産後うつがどのように関係しているか検討することである。 平成28年度は、これまでの申請者が行った研究のデータの検討、実験プロトコールの再検討、自律神経活動に影響を及ぼすと予測される行為の再検討による研究方法等の精錬および使用する測定用具の検討を行った。さらに、マタニティブルーズや産後うつに関する文献検討を行い尺度の選定を行った。 平成29年度は、研究計画を元に倫理審査の承認を受けデータ収集を開始する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成28年度は、文献検討を行い、データ収集に向けて準備、プレテストを行う予定であった。しかしながら、本研究の基礎となる研究で得られた既存のデータの再分析等を行ったことから、データ収集まで至らなかった。 既存のデータを基に文献検討および研究方法の吟味に時間を要したため、本研究課題の進捗状況が遅れたことから、進捗状況が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、データ収集に向け研究計画書を作成し、倫理審査委員会への審査を予定している。昨年度、文献検討およびデータの再分析から得られた結果を踏まえ、研究を進めていく予定である。正確なデータ収集に向けて実験方法の習熟のため、準備を行っていく。
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Causes of Carryover |
当初初年度よりデータ収集準備を行う予定であったが、研究の進捗状況が遅れている。データ収集の際には、測定器具の購入等、対象者への謝礼、交通費の支出を予定していたためそれにかかる経費を計上していたが、データ収集に必要な測定用具等の検討に時間を要したため、未だ購入をしておらず、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度は、データ収集準備のため、必要な測定用具や文具の購入、データ収集時の謝礼、交通費などにより支出を予定している。また、研究に関連した学会参加費や交通費、宿泊費などの支出を予定している。
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