2017 Fiscal Year Research-status Report
要介護高齢者の夜間多尿の排尿パターンと利尿剤との関連
Project/Area Number |
16K20815
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
瀧本 まどか 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (50769586)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 夜間頻尿 / 夜間多尿 / 要介護高齢者 / 利尿剤 / 行動療法 / 生活指導 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、夜間多尿を改善する効果的な夜間尿量減少に向けた看護師の評価基準作成のために要介護高齢者の夜間多尿の排尿パターンと利尿剤との関連を明らかにすることである。 平成29年度は、前年度に行った医療療養病床入院患者の排尿管理の実態の研究結果の論文投稿を行った。夜間におむつ交換回数が多い患者ほど医療依存度が低く、日中車椅子で過ごす患者が多いという実態が明らかになった。 また、文献検討の結果を関連学会において発表した。文献検討では、2009年発行の『夜間頻尿診療ガイドライン』以降に発表された論文から行動療法、生活指導のエビデンスを集積・整理・検討した。その結果、水分制限、睡眠指導、運動療法、下腿浮腫対策の効果が明らかとなり、薬物療法単体よりも薬物療法と行動療法の併用の方が夜間排尿回数の改善に効果があることが明らかになった。また、看護師による個別的で継続的なフォローアップが行動療法の効果を高めることも報告されていた。今後は、行動療法を複数組み合わせた包括的な行動療法統合プログラムの検証の必要性が考えられた。 今年度は、昨年度までに得られた結果を基に利尿剤を服用している要介護高齢者に膀胱用超音波画像診断装置を27時間装着し、膀胱内尿量のモニタリングを行う。それと併せて飲水量、活動量、体位、下腿浮腫、睡眠環境などの観察、調査を行い、要介護高齢者の生活実態と排尿パターンから、利尿剤の作用時間を検討し、効果的な利尿剤の内服時間と包括的な行動療法統合プログラムを組み合わせた介入研究の基礎資料とする。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度にデータ収集の予定だったが、まだ着手できていない。その理由として、研究課題の背景となる実態調査の論文執筆と文献検討の学会発表に時間がかかってしまったこと、要介護高齢者の認知症をもつ対象に対するインフォームドアセントの準備や不安なく測定できるスケジュールの検討に時間がかかってしまったためである。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に実施できなかったデータ収集については、平成30年度に実施と解析を進めていく予定である。認知症をもつ対象に対する調査は、機器が気にならないような位置に配置し、インフォームドアセントだけでなく、研究者がその都度繰り返しご説明することで不安解消に努めていく。
|
Causes of Carryover |
(理由)平成29年度に計画していたデータ収集が実施できなかったため、謝礼や消耗品等の予算を執行できなかった。 (使用計画)膀胱用超音波画像診断装置に関わる消耗品、謝礼、体成分分析装置のレンタル費用を計画している。
|