2017 Fiscal Year Research-status Report
PsyNACSを用いたWeb型精神科看護計画システムの開発とそのDBの標準化
Project/Area Number |
16K20819
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
飯藤 大和 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 助教 (60723921)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 精神科看護 / PsyNACS / 看護計画 / 患者情報 / 精神科病院 / 看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はWeb型PsyNACSへの情報の蓄積を行う計画であった。しかし、クラウドサーバーに患者情報(個人が特定できる個人情報は除いた情報)を保存することは複数の情報系委員会の承認が必要である。情報セキュリティー上、万全な情報管理が可能となるまで実際の患者データの入力と保存は行っていない。 その間、より臨床で実践するにあたって有用なシステムとするためにPsyNACSの臨床評価を行なった。Webに接続していないノートパソコン型PsyNACSを精神科単科病院に導入し、院内の看護師が150名の患者情報の入力を行った。また、個々に応じた看護計画の立案を行った。患者情報の入力内容はエクスポート機能を用いて研究者が情報を取り出し、同じ病名の患者に対する看護計画内容の比較を行い、共通性の分析を現在行っている。情報が整理できれば精神疾患患者に対する標準化された看護計画が作成できると考える。 次に、臨床導入した中間評価として、アンケートによる看護師による操作性の評価と機能上の問題点の明確化を行った。操作性については多くの看護師が使いやすいと評価し、本格的な導入も検討したいとの意見もあった。しかし、実際にはパソコンに文字を入力した経験のない看護師もいるため、本格的に導入するには様々な人的および物的なサポートが必要であることが示唆された。 結果の公表に関しては、精神科看護に特化した雑誌へPsyNACSの開発について投稿し、出版された。多くの精神科看護師が閲覧する雑誌であるため今後、問い合わせ等があれば更なる有益なディスカッションができると考える。 次年度は今年度の結果から得られたシステム上の修正点の更新とWeb型(クラウドサーバー型)PsyNACSによるデータ蓄積、分析方法の確立を行う。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に患者情報データベース・看護計画システム(PsyNACS)の試験機が開発でき、Webによる情報の蓄積方法を試験した。その結果、すぐにでもクラウドサーバーによる情報の蓄積の開始が可能な状態になった。その後は精神科病院の協力によって実際に臨床の患者情報の入力を行う計画であったが、情報セキュリティー上、さらに検討したほうが良いと考えた。そのため現在までにノートパソコン型PsyNACSを用いた複数の病院での試験的な臨床導入により、患者情報の蓄積を行ってきた。今後、クラウドサーバーの使用が可能となれば、それらのデータをクラウドサーバー上にアップロードすることができる。エクスポート機能、インポート機能等により情報の利活用が可能な段階となっている。将来的にはビッグデータの利活用が可能になると考える。 以上により、クラウドサーバー型PsyNACSの試験機の開発、システムの構築ができている状態であるため本研究課題は順調に進展していると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は、①臨床試験で得られた改善点のシステム更新、②安全なWeb(クラウドサーバー)型PsyNACSのクラウドサーバーへの情報蓄積とエクスポートについて方法を確立できるようにする。システムの改善点については臨床試験時に具体的な提案を受けたため、その部分を改善する。安全なWeb(クラウドサーバー)型PsyNACSのクラウドサーバーへの情報蓄積については国内の精神科病院で、患者が特定できる情報(氏名、住所、キーパーソン、電話番号など)以外の看護に関する情報(病名、副病名、症状、看護計画)を臨床経験が豊富な熟練した看護師により入力する。その結果から、看護に必要な情報の関連と共通性を見出すことを目的とする。例えば「統合失調症であれば、妄想と攻撃性が多く入力されている」などである。 開発結果については、精神科看護領域でより活用されるように学会発表等の公表を行う。将来構想として本研究課題の平成30年度の成果により、産学官が連携して広く使用でき、活用できるシステムとしたい。
|
Causes of Carryover |
当初の計画では平成29年度はクラウドサーバーに接続をして実証試験を継続する予定であったが、患者情報が漏えいしないように情報セキュリティーの確立方法の検討のため一度クラウドサーバーの契約を打ち切り、ノートパソコン型のPsyNACSの臨床試験を進めた。そのためクラウドサーバーレンタル費用が次年度使用額となった。 平成30年度はWeb型(クラウドサーバー型)PsyNACSの臨床試験を行う計画にしている。そのため次年度はクラウド化試験の準備のため、早期にサーバー使用契約を行う予定としている。次年度繰越金はサーバーレンタル使用料として使用する計画である。
|
Research Products
(3 results)