2018 Fiscal Year Annual Research Report
Spiritual Pain of older adult with dementia at home
Project/Area Number |
16K20820
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
沖 亞沙美 香川大学, 医学部, 助教 (70774024)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 認知症 / 高齢者 / スピリチュアルペイン / 日本人 / 在宅 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の研究目的は,在宅で過ごす認知症療養者のスピリチュアルペインを把握することである.認知症療養者が体験するスピリチュアルペインを明らかにすることで,認知症療養者自身の生きられた世界や意味を探求することができ,本人または家族へのアプローチや,よりよい支援について検討できると考えた. 当該年度では,研究デザインを量的研究から質的研究に変更し,現象学的に分析した.認知症療養者の中から認知症高齢者を対象に絞り,1名の研究協力者から参与観察法によって得られたデータを分析した.1回の参与観察は15~60分で,計10回行った.分析手順と信頼性と妥当性の確保は以下の手順で行った.①研究協力者へ参与観察法によって,その場面の様子や,会話の内容を録音した.②得られたデータから逐語録を作成し,フィールドで収集したデータをまとめてフィールドテクストとした.③現象学的分析作業として,すべての会話文を文節区切りに直し,全体の会話の場面を最低4回読み,スーパーバイザー,臨床経験35年のエキスパートナースと研究者とで意味内容の分析を行い、信頼性、妥当性の確保を行った.④各文節の,分析のプロセスでは,場面ごとに研究協力者の生きられた時間存在としての時間と,環境との相互作用,研究場面における関係性を考察し,特に、スピリチュアルペインの内容にフォーカスをして,スピリチュアルペインの言説、および内容の抽出を行った.またスピリチュアルペインが低下した場面と言説の抽出を行い、最後に、その場面における研究協力者のヘルプとサポートとケアの差異について,認識の差異について考察・提言を行った. 本研究によって,在宅で過ごす認知症高齢者が体験するスピリチュアルペインは存在することが明らかになった.
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