2017 Fiscal Year Research-status Report
気分障害外来患者の再発や自殺を予防する精神科外来看護ケアガイドラインの開発
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16K20828
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Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
北 恵都子 三重県立看護大学, 看護学部, 助教 (50570686)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 気分障害外来患者 / 外来看護 / 再発予防 / 自殺予防 / 課題 / 困難 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度に調査した気分障害外来患者の再発や自殺を防ぐためのケア実施における困難や課題の現状を明らかにすることを目的に、全国の精神科医療機関の看護管理者と看護師を対象とした質問紙調査を実施した。日本精神科看護協会の会員施設名簿に記載されている精神科医療機関から無作為抽出をした400施設と、名簿に記載されている全精神科診療所47施設、合わせて447施設を対象に調査を依頼し、69施設から調査への協力を得た(回収率15.4%)。外来看護管理者が感じている精神科外来看護における課題について、自由記述を求め、内容分析を行った。分析の結果、外来看護管理者が精神科外来において感じている課題として看護ケアの質の向上に関することが最も多く、その他人材育成や、多職種連携に関すること等に課題を感じていた。また69施設に所属する293名の外来看護師を対象に、看護師の属性、外来での担当業務、気分障害外来患者に対し再発や自殺を防ぐためにケアを実施する上で感じている困難、気分障害外来患者に対する感情労働測定尺度(片山ら,2005)の程度や医師と看護師の協働に対する態度(小味ら,2011)、看護師の仕事意欲測定尺度(佐野ら,2005)等について質問紙調査を実施した。当該ケアを実施する上で感じている困難として、外来患者の病名の把握や経過の把握、リスクアセスメント等10項目について困難を感じているかを質問した。外来での担当業務は先行研究(長井,2008)を参考に、対話や看護記録、多職種連携など15種の業務とし、各業務の担当の有無を質問した。202名から回答を得、181名を分析対象とした(有効回答率61.7%)。担当業務の有無による感情労働の違いを明らかにするためにt検定を行った結果、複数の業務において、感情労働の程度に違いがあることや、当該ケアにおいて感じている困難の有無によって、感情労働や医師との協働性に違いがあることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度において、気分障害外来患者の再発や自殺を防ぐためのケアの実施における困難や課題の全国の臨床の状況について明らかにすることができた。今後、当該ケアにおけるガイドラインを作成する上で、取り上げる困難や課題については特定できる結果を得たと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、これまでに明らかになった、気分障害外来患者の再発や自殺を防ぐためのケア実施における困難や課題に対するケアガイドラインを作成する。具体的には、国内外の文献検討と、卓越した精神科外来看護師へのインタビューなどから、気分障害外来患者の再発や自殺を防ぐためのケアの実施における困難や課題に対する実践を記述し、臨床に即したガイドラインを作成する。
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Causes of Carryover |
全国の精神科医療機関447施設を対象に調査を依頼したが、69施設からしか調査の協力が得られず、外来看護師を対象とした調査にかかる郵送料が見込みよりも少なくなった。また、国際学会(EAFONS)での発表を予定していたが、2017年度の開催日程が昨年度の開催時期よりも2か月も早くなり、業務の調整がつかず国内学会での発表に変更したため、旅費が見込みよりも少なくなった。
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Research Products
(2 results)