2017 Fiscal Year Research-status Report
認知症看護実践力向上のための教育・相談援助プログラムの開発
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16K20829
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
中筋 美子 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (10733454)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 認知症看護 / 看護実践 / 現任教育 / dementia care / スタッフ教育 / ケアの質 / 認知症高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は「認知症看護実践力向上のための教育・相談援助プログラム」を開発することである。平成29年度は研究計画の第2段階にあたる「認知症看護実践力向上のための教育・相談援助プログラム案(以下、プログラム)を用いた教育・相談援助の実践」を行った。 第1段階の研究で得た知見をもとにプログラムを精錬し、プログラム実践に必要な教材を作成した。また、第1段階の取り組みを学会で発表すると共に、研究者間での情報交換を行い、プログラムの精錬を進めた。プログラムは集合研修と個別相談で構成し、集合研修1回(1回約60~75分)と個別相談1回(1回約20~30分)を1組として、1ヶ月に1回の頻度で計5回実施することとした。研究協力者は看護師20~30名、①地域の中核の役割を担う総合病院に所属し、②看護師経験年数が5年以上の者とした。ただし、1施設あたり10名程度として、総合病院2施設へ協力を依頼することとした。 まず1施設でプログラムを用いた教育・相談援助を実践した。研究協力者は看護師8名であった。研究協力者8名は約4か月間にわたり、計5回の集合研修・個別相談に参加した。最終回終了後、この8名へ聞き取り調査を行い、得られたデータを内容分析法で分析した。その結果、「自身の行動や考え方を振り返り、認知症や認知症者に対する誤解や偏見に気づいた」、「“その人”が気になるようになった」、「本人の考えや心情、言動の理由を確かめたり、探ったりしながらかかわるようになった」、「より多く、具体的に看護の方法を考え、実践するようになった」ことを示す語りが確認された。今後データをさらに蓄積してプログラムの有用性を検証するために、2施設目での実践・協力依頼に向けて、現在準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、看護師の認知症看護実践力向上を目的とする教育・相談援助プログラムを作成し、実践・評価を行うことで、有用性の高いプログラムを開発することを目的としている。当初の計画通り、平成29年度はプログラム案の精錬と、総合病院での実践を進め、データ収集予定2施設のうち、年度末までに1施設での実践と聞き取り調査を終了した。現在は、2施設目のフィールド調整を進めている段階にあることから、おおむね計画通りに進行できていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は2施設目でプログラム案を用いた教育・相談援助の実践を行い、蓄積したデータを分析して、プログラムの有用性を検証する予定である。研究フィールドについては、平成28年度の研究協力者の所属施設から協力を得られる可能性があるため、研究計画の遂行にあたり必要な環境は整っている。
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Causes of Carryover |
平成30年度は前年度に続けて、総合病院1施設でプログラム案を用いた教育・相談援助を実践し、データ収集を行う予定である。そのため、プログラム実践に必要な印刷費、文具等消耗品の購入費、データ収集施設への移動にかかる旅費が必要となる。また、平成29年度の取り組みについて学会発表を計画している。公表に際し、ポスター印刷費、翻訳費、学会参加費および旅費が必要となるため、助成金の使用を予定している。
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Research Products
(1 results)