2016 Fiscal Year Research-status Report
大腸切除術後高齢者の生活機能の回復・維持を目指すフォローアッププログラムの開発
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16K20837
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
真志田 祐理子 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 助教 (90726580)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 高齢者 / 大腸切除術 / 生活機能 / 生活の質 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国では高齢化の進行と医療技術の進歩に伴い、根治目的で手術を選択する高齢者の割合が増えてきている。一方で高齢者の場合、治療経過は良好であっても手術をきっかけに活動範囲が縮小し、生活機能の低下、フレイルの状態を招きさらに活動性の低下が進むという悪循環に陥る恐れが大きい。 また急性期病院では在院日数の短縮化に伴い、外来で生活機能をフォローアップしていく必要性に迫られている。しかし、高齢者に対するサポート体制は十分に整っているとは言えず、高齢者の変化に気づきにくい現状がある。 本研究の目的は、外来通院している大腸切除術後高齢者に焦点を当て、手術後の自宅における生活の実態を明らかにするとともに、手術後の生活機能の回復や維持に影響する要因を明らかにすることである。そして、外来における手術後の高齢者の生活機能の維持や回復への効果的な働きかけのあり方を検討し、フォローアッププログラムの試案を作成する。 平成28年度は、大腸切除術後高齢者における退院後の生活機能や生活の広がりの実態やそれらへ影響する要因を明らかにする目的で、関連する情報の収集や文献検討を実施した。また併せて、大腸切除術後高齢者に対し、身体状況や生活に対する認識に関するインタビューと、アンケート調査を行った。アンケートでは基本属性の他に、(社)日本理学療法士協会開発のアセスメントセット『Elderly-Status Assessment Set(E-SAS)』を参考に、「生活空間(Life-Space Assessment:LSA)」「人とのつながり(Lubben Social Network Scale-6)」「入浴動作能力」等を測定し、生活の状態を把握した。得られたデータについて現在分析を進めており、今後関連学会で発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の予定期間よりも、データ収集に時間を要したことが主な要因として挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
データの分析を進め、大腸切除術高齢者の生活機能に影響する要因を抽出し、それを基に退院後の生活をフォローアップするためのプログラム案を作成する。作成した案について、術後の高齢者看護の経験を持つ看護師や老年看護の専門家より意見聴取を行い、内容を精錬させる。
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Causes of Carryover |
当初の計画では研究資料の整理やデータ入力補助等で生じる人件費を見積もっていたが、確保が困難であり人件費が発生しなかったため、次年度に使用する研究費が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、学会へ参加し関連領域の動向を把握するとともに、関連学会での発表を行うための国内旅費を計上する。また、研究資料の整理やデータ入力等の補助を得て研究を遂行する。
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