2017 Fiscal Year Research-status Report
身体拘束解除を目指した院内デイケアの開発と教育プログラムの検証
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16K20838
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
清水 典子 東京医科大学, 医学部, 助教 (30710090)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 身体拘束 / デイケア / 一般病院 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、安全面への配慮から活動が制限された高齢患者を対象に院内デイケアを開設することを目的とした3年間の研究である。 H29年度は、主に一般病院の院内デイケアの実態や効果を明らかにすることを目的に全国調査の分析を進めた。院内デイケア実施施設は、15%程度と少ない状況であったが、病床数の規模や病床区分に偏りがなく設けられていた。院内デイケアの対象者は「認知症・認知機能低下の者」17ヶ所 (94.4%)、「昼夜逆転している者」16ヶ所(88.9%)、「ADLが低下している者」13ヶ所(72.2%)などであり、虚弱な高齢者が入院することでの変化に対応して実施されており、「身体拘束の解除」「生活リズムの改善」「精神的安寧」に効果を認識している施設が多いことが示された。未実施施設においては、開設に伴う「人材確保の困難」7.0±1.98点(得点幅1‐10点)、「場所の確保の難しさ」(6.42±2.54点)、「費用の負担」(6.08±1.92点)といったハード面の整備が弊害となっているもののデイケアへの関心度は7.45±2.47点、今後の開設意欲は6.53±2.77と高かった。 また、平成29年度は本調査結果に基づき、次年度の実施計画立案に向け、身体拘束実施患者の転院受け入れ病院における身体拘束解除のための院内デイケアプログラムの枠組みを作成した。対象施設と交渉しながら看護師が介入できるプログラムを構築していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全国調査の分析ならびに執筆は終え、論文を投稿するところである。作成した身体拘束実施患者の転院受け入れにおける拘束解除のための院内デイケアプログラムの枠組みについては、具体的方法を詰めているところである。病院から平成29年度に研究実施の内諾を受けることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
身体拘束実施患者の転院受け入れにおける拘束解除のための院内デイケアプログラムについて倫理審査を受け、実施する。研究デザインは介入研究である。院内デイケアのプログラム骨子を構築し、対象施設の担当者との交渉を重ねて臨床で日々活用できるプログラムを策定する。また院内デイケア普及の一助となるよう効果を患者の身体的、精神的側面から検証する。院内デイケアを看護師と共に実施していくなかで看護師の身体拘束に関する意識変遷を検証する。
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Causes of Carryover |
購入を予定していた院内デイケア開設に伴う物品は、翌年度に購入することになっている。また、今後デイケア介入に伴う人件費が発生する。
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Research Products
(3 results)