2016 Fiscal Year Research-status Report
回復期リハビリテーション病棟看護師における退院支援の質指標の開発
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16K20842
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
山本 さやか 日本福祉大学, 看護学部, 助教 (50760344)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 退院支援 / リハビリテーション看護 / 質指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、回復期リハビリテーション病棟における病棟看護師の退院支援に関する質指標を作成し、質指標を用いて病棟看護師への退院支援の調査を行うことにより、退院支援の実態と影響要因を明らかにすることである。 研究計画に基づき、2016年度は回復期リハビリテーション病棟における患者の退院に向けての活動や取り巻く環境についての先行研究の動向を明らかにし、回復期リハビリテーション病棟における病棟看護師における質の高い退院支援活動内容を検討している。一般病棟における病棟看護師の退院支援活動に加えて、回復期リハビリテーション病棟における病棟看護師に特徴的な退院支援活動と課題には、障害受容を含めた心身の準備、退院後の日常生活のイメージ化と退院後の生活に合わせた生活動作の獲得や役割継続への支援、家族内調整やサポート体制の強化が示された。 また、文献検討に加えて、回復期リハビリテーション病棟への訪問や学会参加により、回復期リハビリテーション病棟の実態について情報収集を行い、病棟看護師における退院支援活動は重要性の認識が高い活動も、活動の見えにくさや知識・経験不足等により実施が低い現状にあることが分かった。そのため、調査方法を再検討していく必要があり、次年度からの質指標作成にあたっては、回復期リハビリテーション病棟における看護師への実態調査を行う前に、エキスパートの視点から望ましい退院支援のあり方を検討し、質指標項目を精選することとする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2016年度では回復期リハビリテーション病棟における退院に関する文献検討により、国内外における回復期リハビリテーション病棟の退院支援の実施状況、退院支援を取り巻く環境について病棟看護師や他職種に関する研究を整理した。国内外の文献検討や学会参加により、回復期リハビリテーション病棟における病棟看護師の退院支援活動と課題に関する示唆を得た。現在、結果をもとに回復期リハビリテーション病棟における病棟看護師の退院支援に関する質指標原案の作成を進めている。2017年度の質指標の作成に向けての計画では回復期リハビリテーション病棟における病棟看護師への調査を予定していたが、計画を変更し、エキスパートの視点から望ましい退院支援のあり方を検討していく必要性から、有識者からの質の高い退院支援活動に関する意見を取り入れられる方法に変更して実施していく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年度の結果をもとに、質指標項目原案を作成して項目精選を行っていく予定である。質指標を作成するにあたっては、エキスパートの視点から望ましい退院支援のあり方を検討する。2017年度は、研究者等による有識者からのスーパーバイズによる質指標項目の精選、デルファイ法を用いた臨床の立場からのエキスパートへの調査を実施する。スーパーバイズを受ける際には謝金、調査へ行くための旅費を必要とする。また、エキスパートへの調査では、調査用紙印刷・郵送費を使用する。2018年度は、病棟看護師への調査:実施状況からの実施可能性と質指標の信頼性・妥当性の検討を行うことにより、最終的な指標項目を決定する。 また、病棟看護師への調査では退院支援の実態と影響要因を明らかにし、回復期リハビリテーション病棟における退院支援の課題に関する示唆を得る。病棟看護師への調査では、調査用紙印刷・郵送費、データ入力委託料を必要とする。
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