2017 Fiscal Year Research-status Report
外来看護における在宅療養支援のシステム構築のための研究
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16K20843
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Research Institution | Seisen University |
Principal Investigator |
川嶋 元子 聖泉大学, 看護学部, 助教 (20633598)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 外来看護 / 在宅療養支援 / 実態調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、外来看護における在宅療養支援のシステム構築を行うために、外来看護業務の実態と在宅療養支援の現状を調査することである。 平成28年度行った外来看護における在宅療養支援の実態調査では、一般社団法人日本病院会の登録リストに掲載されている全国200床未満の病床を持つ病院1224件に質問紙調査を行った。その結果71施設から研究協力の承諾が得られ、71施設に勤務する看護管理者と外来看護師1028人に質問紙調査を行った。 平成29年度は、外来看護師対象の質問紙調査の回収とデータ分析を進めた。回答が得られた外来看護師は447人で回収率は43.4%であった。外来看護師の看護師経験年数は、21.57±7.74年で、外来経験年数は7.74±7.32年であった。在宅療養支援の実施経験がある者は、84人(18.8%)であった。実施したことがない理由は、システムがない140人(38.8%)担当者がいる98人(27.1%)時間がない96人(26.6%)であった。外来での在宅療養支援の必要があるかの問いには、380人(85.0%)の看護師が、「そう思う」257人(57.5%)「ややそう思う」(27.5%)と回答した。 在宅療養支援の実施内容については、実施をしている84人の看護師のうち、52人(61.9%)の外来看護師から回答を得た。1週間で在宅療養支援が行われた患者数の平均は、一人当たり、2.78人で、指導時間の平均は、35.06時間であった。指導を行う患者の年齢は、平均69.3歳で、疾患で最も多かったのは、糖尿病62人(42.8%)で自己注射、血糖測定、フットケア、食事指導等が行われていた。次いで多かったのは呼吸器疾患で、在宅酸素使用をしている患者の日常生活指導やCPAPの使用状況や生活相談などが行われていた。指導にかかわる診療報酬で最も多く請求されていたのは、在宅療養指導料で86件(59.3%)で、次いで診療報酬の算定対象外の指導が16件(11.3%)であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度に実施した質問紙調査の作成に時間を要し、計画した質問紙調査が平成29年まで延長した。またタイムスタディ調査であるため、回答していただく期間も計画より延長しているため、平成29年の計画が遅れている。 平成29年度は、平成28年度の質問紙調査の分析をした。また、在宅療養支援を実施している施設の外来看護師を対象にインタビュー調査を行い、より具体的な在宅療養支援の実施の現状と課題を明らかにする予定をしていた。すでに、聖泉大学研究倫理審査委員会の承認は得ており、プレテストも終了しているため、平成30年度に外来看護師にインタビューを行う予定をしている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の調査結果から、対象の病院は、在宅療養支援の実施率の低い100~200床未満の病院としている。平成28年に協力を得られた施設の看護管理者に同意を得た上で、研究協力を得られる外来看護師と連絡をとり、インタビュー調査を行う予定である。インタビューの内容は、どのような方法で在宅療養支援を実施しているのか(対象者の選定など)、在宅療養支援を行うにあたり、施設のスタッフなどの体制を変更したか等であり、在宅療養支援の実施に必要な要因を明らかにしていく予定である。また、成果発表として学会発表と報告書の作成を予定している。
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Causes of Carryover |
平成30年度はインタビュー調査を行う。そのため、研究依頼のために必要な郵送費、インタビュー対象者への謝礼、インタビュー後のデータ起こしに費用が必要となる。また、成果をまとめ学会に発表することや報告書の作成に費用が必要となる。
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