2017 Fiscal Year Research-status Report
プレママ世代の育児力向上を目指したヘルスリテラシーの育成
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16K20850
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
市森 明恵 金沢大学, 保健学系, 助教 (80507369)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ヘルスリテラシー / 育児 |
Outline of Annual Research Achievements |
H29年度は様々な文献を取り寄せ、ヘルスリテラシーを測定する尺度について検討した。尺度の検討のための文献検索および尺度の選定の際には、看護師、保健師の資格を有し、自治体での保健師としての就業経験がある者に業務を依頼し謝金を支払って、文献の検討や尺度の内容について詳しく比較検討し、現在の自治体の母子保健事業内における母子の現状との比較も行いながら、文献内容をまとめることなどを行った。また、学会への参加を通して、ヘルスリテラシーに関する研究の動向および用いられている尺度について最新の情報収集、資料収集を行った。これらの検討作業により、本研究において使用する候補となるヘルスリテラシー尺度の候補としてIshikawaらによるHLS-14(14-item Health Literacy Scale)、SukaらによるCCHL(Communicative and Critical Health Literacy)尺度、河田らによる性成熟期女性のヘルスリテラシー尺度を選定した。これらのヘルスリテラシー尺度はいずれも「医療にかかる際」あるいは「治療を受ける際」のヘルスリテラシーを測るものとされており、研究者が考える母親自身の健康や子どもの健康を守っていく予防の観点で測定されているものではない。そのため、予防の観点で測定できるよう尺度の問い方を変更する必要がある。変更した尺度で測定可能かについて今後検討する必要がある。 また、育児を行っていく力を測定する尺度についても文献検討を行ったが、本研究で測定したい内容を測るために妥当な尺度が見当たらず、どのように測定していくかを検討中である。 今後、育児を行っていく力の測定方法を定め、質問紙を作成した上で研究計画書を医学倫理審査委員会に申請していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
H29年度は研究計画書の作成を進めた。計画書を作成する中で、ヘルスリテラシー調査のための適切な尺度を選択するため文献検討を行い、数あるヘルスリテラシーを測定する尺度中から使用する尺度の選定を行った。また、一方で育児を行う力についての尺度については、測定したいものが測れる尺度が文献検討の中で見当たらず、どのようにして育児を行う力を測定していくかを検討中である。育児を行う力をどう測るかについて妥当な測り方を定めたうえで、研究計画書を倫理審査に提出する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
ヘルスリテラシーの調査のための尺度は選定できたので、育児を行う力をどのように図るかについて定めたうえで、質問紙を作成し、研究計画書とともに倫理審査に提出し承認を受けて調査を開始する。 調査は学生および市町の母子保健事業に参加する母親を対象として、育児を行う母親およびプレママ世代のヘルスリテラシーと育児力に関する調査を行っていく。 調査に関しては看護師の資格を有する者を研究協力者として雇い、限られた期間でできるだけ幅広く調査が行えるように体制を整える予定である。また、研究者が関わる別の研究の調査でH29年度に県内の各自治体の保健師の協力のもと乳幼児の健康診査の場で調査を行っており、同様の体制でH30年度本研究の調査を行っていける見通しである。
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Causes of Carryover |
H29年度は、新たに開始した保健師選択制に伴い、カリキュラムの変更があり、担当する講義、演習、実習内容が変更になったため、そのカリキュラムの運用のための様々な調整や検討を行う必要性が生じ、また、大学として参加を進めている教育力を向上させるための研修に半年の期間参加することになり、その研修に際し様々な課題を仕上げる時間も必要となったため、本研究の活動を予定通り進めることができなかった。 教育力の向上のための研修では、本研究と関係する主体性を高める教育方法について学べ、その内容を研究に生かしていきたいと考える。 残りの限られた研究期間で成果を出していけるように、タイムスケジュールを組み直し、コンスタントに進めていくことを考えている。 質問紙の作成等については、業者に委託することでスピーディーに、レイアウトなどについても工夫がなされた質の良い質問紙を作成していけるようにしたい。さらに調査実施に際し、自治体における保健事業において協力をいただけるよう各自治体に働きかけていく予定である。また、調査やデータの入力に関して、看護師の資格を有する者を研究協力者として雇い、素早く分析が行えるような環境を整えていく予定である。
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