2018 Fiscal Year Annual Research Report
The relationship between mobile sales and the health of elderly people living in urban areas
Project/Area Number |
16K20851
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
田中 健太郎 岐阜大学, 医学部, 助教 (50755832)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 移動販売 / 都市部 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、移動販売車と地域住民の健康との関連を科学的に検証し、今後の高齢社会対策における新たなエビデンスの構築を目指すことを目的としている。急速な高齢化に伴い、今後、日常生活に支援が必要となる高齢者の増加が予想され、その対策が大きな課題である。特に、食料品の購入が困難な人々にとって、生命を維持する観点からも、その優先度は極めて高く、一部の地方自治体では、移動販売車の導入を通じた地域支援も行われている。しかし、これまで移動販売車に関する研究は、地理学的なアプローチによる研究が多く、公衆衛生学的なアプローチは少ない傾向にあり、海外での研究が主である。そこで、本研究では一見関係のない「移動販売車」と「地域住民の健康」を結びつけ、その関連を科学的に検証することで、今後の高齢社会対策に必要なエビデンスの確立に向け実施してきた。 今年度は上記研究目的のもと、大阪市で人口10万人を超えるZ区のY連合町会で調査を実施した。アンケート調査では、基本情報や移動販売の利用頻度、栄養状態などについて60歳以上の男女300名を対象に調査を行い、192名の方から回答を得た。調査結果については、今後、学会等で発表を行う予定であり、現時点での詳細な報告は差し控えるが、高齢独居世帯や高齢夫婦世帯が多く、都市部においても潜在的なリスクが高いことが明らかとなった。また、今年度は、担当する授業の中でも、調査結果を踏まえ、都市部あるいは地域全体を捉えた健康課題について講義を行い、教育的な面からも貢献出来たと考える。
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