2021 Fiscal Year Research-status Report
特定妊婦の子ども虐待を予防するための多職種連携に基づく子育て支援モデルの開発
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16K20853
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
内村 利恵 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (80634295)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 虐待予防 / 特定妊婦 / 保健師 / 多職種連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は,特定妊婦の子ども虐待を予防するための多職種連携に基づく保健師の支援を検討することを目的に実施した無記名自記式質問紙調査の結果の一部を報告した.調査内容は,特定妊婦への支援や地域医療保健連携システム,基本属性等であった. 特定妊婦に関する所属保健機関内の体制として,特定妊婦の「判断基準あり」,特定妊婦の事例について,「情報共有する」「支援方針を検討する」は割合が高い傾向であり,特に「胎児に拒否的」「妊婦自身の被虐待歴」「胎児のきょうだいへの虐待歴」などは,虐待リスクが「十分ある」と判断され,妊娠期から育児期にかけて、慎重な支援につなげられていた.自由回答の分析から,特定妊婦の子ども虐待を予防するための保健師による支援で有効であったことは,【妊娠期からの継続的な支援】【日常的な多機関・多職種との連携に基づく支援】【地域医療保健連携システムの充実】が抽出され,課題であったことは,【特定妊婦の背景の複雑さ】【特定妊婦支援の資源不足】【特定妊婦の判断基準の不明瞭さ】【多機関・多職種の連携・協働体制】が抽出された.多様で複雑な背景を抱える特定妊婦を支援するためには,判断基準を明確にするとともに,多機関・多職種の連携・協働が不可欠である.妊娠期から育児期を通して支援を要する妊婦や子どもを把握し支援に繋げるためには地域医療保健連携システムが重要であり,地域実情に応じて検討,拡充する必要があることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の拡大により,対面の調査が難しい場合は,Zoomを活用するなどの遠隔での実施を検討していたが,業務の逼迫が継続していたため,調査の日程調整に難航し,調査は延期せざるを得なかった.そのため,この期間には,改めて文献検討を実施するとともに,これまでに収集したデータの再確認を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
しばらくは新型コロナウィルス感染症への対応は継続することが見込まれることから,今後の感染発生状況を鑑み,対象地域およびサンプル数を縮小するとともに,調査対象者への労力的負担に配慮した調査を再検討し実施する.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大により,調査対象である保健師への調査に伴う負担を考慮する必要があり,予定していた調査を延期せざるを得なかったことに伴い,調査に関連した交通費および研究成果発表に関連した費用他は,次年度に使用する予定である.
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Research Products
(2 results)