2017 Fiscal Year Research-status Report
子育て世代に着目した生活習慣病予防のための健康生活支援モデルの開発
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16K20854
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Research Institution | Shitennoji University |
Principal Investigator |
小出 恵子 四天王寺大学, 教育学部, 講師 (40550215)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 生活習慣 / 青年期・壮年期 / 就労者 / 独身男性 / 支援プログラム / フォーカスグループ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、20・30代の子育て世代の不健康生活習慣の改善に向けて、健康生活習慣の阻害・促進因子と支援ニーズを明確にし、産業・行政の保健師等が活用可能な支援モデルを開発することである。平成29 年度は、平成28年度に引き続き、子育て世代における健康生活習慣の阻害・促進因子を明らかにするために、フォーカスグループによりデータ収集した。フォーカスグループの参加者は、A企業の20~30歳代の独身男性であり、職務内容な夜勤の有無ごとに4グループに実施し、グループごとに質的記述に分析を行った。 フォーカスグループを分析した結果、20~30歳代の独身男性の生活習慣の考え方と規定要因が明らかになった。運動と食事、睡眠・休養といった生活習慣は、健康を意識したものというよりは、仕事に備えるという視点と仕事のストレスの軽減を図れるようリフレッシュとリラックスできるかという視点に重きが置かれ、実践されていた。例えば、食事ではその時食べたいものを選択して充足感が得られる量を食べることによって、リフレッシュを得ようとする傾向があった。その背景には、仕事中心の不規則な生活と仕事の拘束感による自由渇望、仕事体力の回復希望等が明らかになった。20~30歳代の独身男性の生活習慣の考え方は、仕事を中心に置いた彼らなりの合理的な理由にもとづいていた。健康生活習慣に向けた効果的な支援プログラムの検討には、本調査の結果を十分ふまえる必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度はグループごとに質的記述に分析を行ったが、分析に時間を要し、各グループを統合するまでには至らなかった。この理由として、当初は質問紙調査に備えてフォーカスグループでは健康生活習慣の促進、阻害要因を抽出する計画であったが、健康生活習慣を意識していない参加者から十分な語りが得られなかった。そのため、研究全体の修正と分析の視点の変更が必要になった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、フォーカスグループの結果に基づき、「健康生活支援モデルの開発」を目指す。当初、子育て世代の阻害・促進要因と支援ニーズの明確化に向けて、質問紙調査は実施する予定でいたが、参加者から具体的な語りが得られなかったため、フォーカスグループの結果から理論化するよう研究計画を修正した。支援モデルの開発に向け、子育て世代のへの支援を行っている産業・行政分野の保健師を対象に面接調査を行う。また、フォーカスグループの結果については論文化を進める。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、平成29年度に予定していた質問紙調査を面接調査に変更し、次年度の実施にになったためである。平成30年度は、産業・行政分野の保健師を対象とした面談調査を行うとともに、学会発表と論文作成することにより結果を公表する。
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Research Products
(3 results)