2016 Fiscal Year Research-status Report
保健師のキャリアをサポートするICT教育システムの開発
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16K20855
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
金藤 亜希子 広島大学, 医歯薬保健学研究院(保), 助教 (80432722)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 職業的アイデンティティ / 新任保健師 / ICT教育システム |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、4~8月まで、平成27年度までの研究結果を踏まえ、システム(操作性)、内容の改善を行った。平成28年度には、「いつでも・どこでも学習可能」というeラーニングの利点を活かし、スマートフォン等での学習が可能なモバイル対応型の教育システムを作成した。さらに、教育内容の評価のために、自治体保健師が人材育成の手法として最も多く用いている集合研修と比較することとした。当初の計画では対象者を中堅保健師(指導者)と新任保健師(受講者)の両者を募集することとていたが、教育内容を変更したため、まずは教育内容が新任保健師の職業的アイデンティティの形成を促すか否かを評価するため、新任保健師を対象とした研究を行うこととした。 8~10月にICT教育システムを実施した結果、研修の提供方法の違いに関わらず、作成した教育システムを受講した新任保健師の職業的アイデンティティの形成が促される傾向が示された。一方、集合研修受講者の職業的アイデンティティは、受講後1か月経過時にも継続して形成されているのに対し、eラーニングは受講直後は集合研修より形成が促進されているが、1か月後には低下するという学習方法の違いによる傾向の差異が見られた。また、eラーニングは入力内容が詳細に記述されており、集合研修より内省が深まる可能性が推察された。しかし本研究の対象者は選定基準に合致する対象者が両群合計20名未満であり、統計的分析を行うには弱いと考える。また、試行的に1名参加していただいた中堅保健師より、集合研修とeラーニングにおける指導の利点と弱点についてデータを得た。 そこで、平成29年度は、今年度の結果を踏まえ、同じ教育システムで再度研究を実施し、対象者数の拡大を目指すこととする。さらに、中堅保健師に教育システムの指導に必要なコーチング等の技術を十分説明したうえで参加を促すことを計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していなかった集合研修とeラーニングによる比較を踏まえた学習を行ったことで、研究者らが作成した教育内容の評価を行えたことは、研究としての信頼性や妥当性が確保され、計画以上に研究できていると考える。 しかし計画では中堅保健師の参加を検討していたが、この部分については試行で終了しているため、次年度以降の研究で取り組むこととする。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度には、同じ教育内容を用い、対象者数を増やして研究を追加することで、教育システムの信頼性を高める。研究追加については既に対象の選定および交渉について進行中である。 さらに、コーチングスキルを身につけた中堅保健師の参加を募り、指導する側の評価について実施を検討する。
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Causes of Carryover |
平成29年度は論文作成のための指導者への謝金を確保した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度に行う追加研究に関する謝金および旅費、システム運営費に使用する。
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Research Products
(3 results)