2016 Fiscal Year Research-status Report
中学生のメンタルヘルスリテラシー向上のための継続的プログラムの開発
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16K20859
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Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
井倉 一政 三重県立看護大学, 看護学部, 助教 (60733011)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ヘルスリテラシー / メンタルヘルス / 中学校 / 精神保健 / 思春期ピア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、思春期ピアを活用した、中学生のメンタルヘルスリテラシー向上のための継続的プログラムの開発を目的としている。思春期の時期に、中学生が正しい知識と行動・習慣を身につけ、将来の精神疾患の発症や重症化を予防できることは重要である。 研究開始初年度である今年度は、中学生が思春期ピアに相談できるために、まずは中学生の困りごとの相談に関する基礎的特徴を明らかにする必要がある。そのため、困りごとの有無と中学生のQOL(生活の質)の検討を行い、その関連を明らかにした。また、中学校でメンタルヘルスに関する健康教育を行い、メンタルヘルスに関する知識や態度の変化について量的に調査し、考察した。その結果、メンタルヘルスリテラシーの構成概念の一部である「精神疾患の予防のための知識や考え」に関連したストレスに関する予防や知識など複数の好ましい変化が認められた。これらの結果を踏まえて、今後は、生徒の属性の違いによって必要なプログラムや、効果の検討していく必要がある。 思春期ピアの養成については、医療機関、教育委員会、保健所、市役所の専門家(精神科医師、公衆衛生医師、保健師、児童思春期精神看護認定看護師、精神保健福祉士、小中学校教諭、養護教諭、ケースワーカー)の協力を得て、思春期ピア養成プログラムを試作した。 次年度は実際に思春期ピアを養成していく予定である。養成後には、思春期ピアが相談支援スキルを継続的に向上できることが重要であると考えられが、そのためのトレーニングとして、思春期ピアが、行政主催の中学生向けのソーシャルスキルトレーニング教室にスタッフとして参加できる体制が今年度中に構築できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、先行研究の文献検討と、先進的な取り組みの情報収集、量的評価のための尺度の検討などに取り組み、一部の成果の発表も出来た。 また、思春期ピアを養成と、養成後のスキルアップのための体制構築のために、定期的な研究会議を持つことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
思春期ピアの大学生を養成し、そのスキルを継続的に向上できる体制を維持する。 中学生のメンタルヘルスやストレスコーピングの特性、困りごとに対する相談など、中学生の基礎的特徴を明らかにすることを継続する。また、引き続き実際に中学校での健康教育も行い、継続的なメンタルヘルスリテラシー向上プログラムを試作し、プログラムの精錬を図る。
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Causes of Carryover |
分析に必要なデータが得られたのが、今年度の後半であった。そのため、時間的な制約があり、データ整理が充分にはできず、人件費が残額となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度、今年度は十分に行えなかったデータの整理を行う。そのために、今年度の残額は人件費に充てる予定である。
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Research Products
(2 results)