2017 Fiscal Year Research-status Report
地域包括支援センター保健師等の事例分析の視点を用いた高齢者見守り活動モデルの構築
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16K20860
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Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
多次 淳一郎 三重県立看護大学, 看護学部, 助教 (60632205)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 高齢者見守り / 地域包括支援センター / 保健師 / 民生委員 |
Outline of Annual Research Achievements |
29年度は地域包括支援センター(以下、地域包括)保健師等を対象に質問紙調査を実施し、地域包括が民生委員から把握した高齢者事例を収集した。また三重県内の地域性の異なる地域包括2か所の協力を得て、その担当圏域の民生委員組織との関係づくりを行うとともに30年度以降のフィールドワーク実施を依頼し了解を得た。 1.地域包括保健師等への質問紙調査 地域包括の保健師等を対象に郵送法による無記名自記式質問紙調査を実施した。質問項目は28年度に実施した文献検討結果をふまえ、【回答者の特性】、民生委員から地域包括が把握した事例について、事例を提供した【民生委員の特性】、把握事例の健康状態や生活状況を含む【特性】、把握後の地域包括の【対応内容】等51項目の質問紙調査を実施した。調査期間は平成30年1月~3月。1府3県(神奈川、愛知、三重、大阪)の全地域包括910施設に調査票を各10部郵送し、305名から441事例を収集した。うち419例を分析対象とした。保健師等が情報提供時期が〈遅かった〉と判断した事例41例(9.8%)に着目し、その特徴を統計学的に分析するとともに、自由記述欄の記載内容を質的に分析し、民生委員から地域包括への情報提供の課題を検討した。 2.フィールドワークを実施するモデル地区の選定と確保 30年度以降に民生委員協議会(以下、協議会)を単位とした高齢者見守り体制構築を目的としたフィールドワークを実施するモデル地区として三重県内の2市から高齢者見守り活動を積極的に取り組んでいる協議会の紹介を受けた。各協議会の代表者と圏域を担当する地域包括管理者に研究計画を説明し了解を得て、過疎地域と都市部住宅地域で各1地区を選定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属機関における教育用務の増大により、年度内に質問紙調査の詳細な分析およびフィールドワークの実施計画をまとめるまでに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
30年度は質問紙調査の分析結果から、民生委員の見守り活動で見逃しやすい高齢者の兆候を抽出し、モニタリングリストおよび民生委員を対象とした研修プログラムの各試案を作成する。 31年度の上記試案を用いた研修と見守り活動の展開に向け、モデル地区の民生委員協議会定例会に定期的に出席し活動状況を把握するとともに、所属する民生委員の見守り活動の実施状況と課題認識の把握を行う。
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Causes of Carryover |
〔理由〕質問紙調査の実施が年度終盤に遅れ、その印刷・発送・入力にかかる事務委託経費の支払が年度内に完了しなかったため。またそれに伴い学会等での成果発表も年度内に完了しなかったため。 〔使用計画〕29年度実施分の質問紙調査にかかる事務委託経費、および同調査の成果発表にかかる参加費、旅費、投稿経費として使用予定である。
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