2016 Fiscal Year Research-status Report
大腸がん検診精密検査受診行動の促進に向けたケアガイドラインの開発
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16K20862
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
川本 美香 高知県立大学, 看護学部, 助教 (10633703)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 大腸がん検診精密検査 / 保健行動 / 受診勧奨 / illness behavior |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、①文献検討から、まず、「大腸がん検診精密検査受診行動を促進させる支援内容と手段」について、収集した文献から、介入時期・支援方法・支援内容・支援者の職種等を抽出し、分類、整理した。収集した文献は、保健行動、行動変容に関する支援に加え、大腸がん検診精密検査の受診率向上に効果がある介入手段、内容が明確に示されているものも含めた。これにより、大腸がん検診精密検査受診行動を促進させる支援手段と内容を明らかにした。②本研究の基盤研究である「大腸がん検診で精密検査を受診した人のillness behavior」はデータの充実および洗練化を経て、【検査結果を気楽な気持ちで受け取る】、【思いもよらない検査結果に動揺する】、【この検査結果に向き合わなければならない】、【曖昧な今の状況をはっきりさせたい】、【がんが自分と切り離せないものに見えてくる】、【今までどおりの日常を変えずに過ごす】、【周囲の人から受診のきっかけをもらう】、【受診が必要になったことによる周囲の人への影響を考える】、【受診に照準を合わせて自分なりに対応する】、【自分にも受診することができる検査だと位置づく】、【受診することから気持ちが遠のく】、【これからも自分の役割を果たしたい】の、12にカテゴリー化された。③②をもとに、大腸がん検診で精密検査を受診する人のillness behaviorの特徴を検討した。これを踏まえ、5つのモデルケースを作成した。モデルケースは、実際の精密検査受診支援対象者を想定できるものとするため、健診機関で大腸がん検診精密検査の受診行動支援にあたっている保健師4名と討議を重ね、洗練化を図った。①、②、③を踏まえて、「大腸がん検診で精密検査受診行動を促進するケア技術」の理論的枠組みを作成し、インタビューガイドを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度は、本研究の基盤研究である「大腸がん検診で精密検査を受診した人のillness behavior」の分析結果の充実と、文献検討から作成した理論的枠組みを基にした、研究協力者からのインタビューを重要課題としていた。しかし、実際には、①の文献検討の結果を受けて、受診した人の行動を具体的にイメージできるモデルケースが必要であると考え、③のモデルケースの作成(5ケース)を、当初の計画に追加して行ったためである。遅れはあるものの、モデルケースの作成プロセスにおいて、実際支援にあたっている保健師と、5ケースに必要な支援を検討することができ、まとめることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に作成した理論的枠組みをもとに作成したインタビューガイドをもとに、面接調査を行い、ケア技術の解明と、ケアガイドライン(案)の作成・実施に取り組む。同時に、作成した5つのモデルケースに必要な支援の検討結果を分析し、まとめ、実際のケアガイドライン(案)の試行に活かす予定である。また、平成28年度に得られた成果を学会および研究論文として公表することで、洗練化を図り、ケアガイドライン作成への示唆を得る必要がある。
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Causes of Carryover |
面接調査と、研究依頼時に使用する平成28年度までの研究報告書の印刷・製本が平成28年度に終了しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
面接調査のボイスリライトの作成費用と、平成28年度の研究結果報告書の印刷・製本に使用する。
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