2018 Fiscal Year Research-status Report
大腸がん検診精密検査受診行動の促進に向けたケアガイドラインの開発
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16K20862
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
川本 美香 高知県立大学, 看護学部, 助教 (10633703)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 大腸がん検診 / 精密検査受診行動 / 保健師 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、大腸がん検診の精密検査の受診を促進させる工夫に取り組みたいと考えている健診機関(1箇所)において、平成29年までの結果を活用して、具体的な個別支援方法を検討・展開した。 具体的には、本研究結果により平成29年度に明らかになった大腸がん検診の精密検査の受診を促進させるために共通していたことである、[結果を受ける以前の日常生活のペースのなかで、精密検査の受診に対応できていたこと]、[周囲の人が、受診行動に影響を与えていたこと]、[がんという病気と今の自分との距離感の近さ]、[受診の手続きがうまくいくこと]、[検査方法から本人が持つ負担感を乗り越えること]に着目し、これをもとに大腸がん検診の精密検査受診促進を目的とした、保健師による個別支援の展開を検討した。個別支援を担当する保健師が、大腸がん検診一次検診で陽性の結果を受けた方に対して、精密検査の受診促進を目的とした個別支援に取り組むことができる時間を設けて、取り組んでおり、継続している。まずは、「結果を受けて本人がどのように感じているか」「どのように受け止めているか」を捉えることができるような介入を行うことから開始し、約20分程度の個別面談をおこなっている。取り組むなかで、わかってきたこととして、〔大腸がん検診だと思って受診しているとは限らないこと〕、〔がんではないという自分なりの理由を探すこと〕、〔精密検査受診の手続きがスムーズでないと受診する気持ちにならない人がいること〕などであった。受診を決められないケースには、〔まずは結果を周囲の人に話してみるようすすめる〕ことを行っていた。取り組む一方で、個別面談において、〔介入方法について他の専門職からも知識を得たい〕、〔精密検査を実施する側の施設にも受診者の現状を知ってほしい〕、〔受診しない理由を探す機会にしてはならない〕という実感が生まれていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究方法を変更する必要があるため、新たに看護研究倫理審査委員会より承認を得る必要があり、その書類を作成している。 また、健診機関に対し、平成30年度までの成果をもとにした専門職への説明媒体を配布した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在対象としている健診機関の保健師が実施している個別支援の結果のモニタリングを実施する。また並行して、平成30年度に明らかになった個別支援の受診促進に対しての保健師の実感をもとに、医療機関でがん患者の支援や疾病予防に取り組んでいる看護専門職者から、日ごろの実践からみえる精密検査の受診につなぐ個別支援方法につながる意見をいただき、示唆を得ることに取りくむ。以上から、ケアガイドラインの開発および看護実践に活かしていく。また、成果公表を積極的に行う。
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Causes of Carryover |
研究者の状況により、平成30年度は緩やかな研究活動となったため、進捗に遅れが生じたためである。成果公表は令和元年度以降に継続して行う予定にしている。
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