2018 Fiscal Year Research-status Report
日本に居住する外国人の健康診断受診に影響する要因とアクセス改善のための方策
Project/Area Number |
16K20863
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
二田水 彩 国際医療福祉大学, 成田看護学部, 助教 (40757720)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 在留外国人 / 健康診断 / 健康行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本に居住する外国人の健康診断受診に焦点を当て、健康診断受診に影響を与える要因を明らかにし、健康診断受診へのアクセスを改善するための示唆を得ることである。日本に居住する外国人の健康診断受診という医療行動と個人・社会・環境要因の関連を分析し、健康診断受診に影響する要因を明らかにすることによって、外国人の健康診断へのアクセスの改善策を提案し、日本に居住する外国人の健康増進に寄与するとともに、個人および国の医療費軽減に寄与することが期待される。 平成30年度は、健康診断に関して外国人が抱える課題について、文献検討と日本に居住する外国人と関わりの深い関係者へのヒアリングを行った。在留外国人の増加や出入国管理法の改正など、ここ数年での社会的な変化が大きいことを鑑み、日本に居住する外国人へのインタビュー調査を新たに計画した。また必要な研究協力者を得るために外国人のサポート活動を行っているNGOや外国人グループなどとの関係構築を継続して実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成30年度の到達目標は、自己記入式質問紙調査の結果を踏まえて外国人の健康診断へのアクセスの改善策を検討すること、効果的かつ実現可能な計画を立案し研究協力機関とともに実施・評価することであったが、到達に至っていない。進捗が遅れている理由は、外国人の健康診断受診に影響する要因を探索するために適した質問項目の設定のためには、文献検討と研究協力機関へのヒアリングだけでは困難であると判断し、日本に居住する外国人へのインタビュー調査を新たに計画することにしたためである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の時点では、3年間で外国人の健康診断へのアクセスの改善策を立案・実施・評価することであったが、外国人の健康診断受診に影響する要因を明確にするに至っていない。今後は倫理審査の承認を受け次第日本に住む外国人を対象としたインタビュー調査を実施し、健康診断受診を促す要因、阻害する要因、健康診断や健康の保持・増進に関するニーズを明らかにする。その結果を踏まえ、健康行動理論に基づいた改善策を立案する。改善策の実現可能性を検証するための調査を計画する。
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Causes of Carryover |
質問紙調査を実施しなかったため、英語・スペイン語・中国語への文書翻訳費をはじめ質問紙作成に係る経費を使用しなかった。また本研究に関連する学会へ参加できなかったこと、本研究結果を比較するためのブラジルにおける日系高齢在伯者への調査を実施しなかったことにより、旅費として計上していた経費を使用しなかった。 今後の使用計画としては、インタビュー調査における謝金や、通訳を使用する場合の人件費、分析結果の公表に係る費用として使用する。
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