2019 Fiscal Year Annual Research Report
Comparative Analysis of Dominant parties in Post-Soviet Caucasian Republics
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16K20881
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
立花 優 北海道大学, 文学研究院, 共同研究員 (20733330)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 支配政党 / 権威主義体制 / 大統領制 / 議院内閣制 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は政情変化により延期していたアルメニアとジョージアでの現地調査を実施した。9月にアルメニアで行った調査では、政権喪失後の旧与党共和党の関係者に対し、2018年までの大統領制から議院内閣制への移行をめぐる旧与党内の状況について聞き取りを行った。調査の結果明らかとなった点について、11月に行われたロシア・東欧学会年次大会で報告を行った。2月に実施したジョージアにおける調査では、2019年夏以降の政治危機をめぐる対応と選挙制度改革、執政制度の選択を巡る見解について、現与党「ジョージアの夢」所属の国会議員と野党で旧与党「統一国民運動」の流れをくむ「欧州のジョージア」所属の国会議員、計2名と面会した。この調査結果については、調査が最終年度の末期にようやく実現したために研究期間内に成果としてまとめることができなかった。このほか、大統領の世襲によって政権継承の危機を回避したアゼルバイジャンにおける支配政党の役割について、日本比較政治学会で報告を行った。 研究期間を通じ、アゼルバイジャンについて国際学会1・国内学会1、ジョージアについて国内学会1、アルメニアについて国内学会1の研究報告を行うことができた。このように、南コーカサス三国すべてで現地調査を実施し、仮設の検証作業を行うことができた点は大きな意義を持つと考える。一方で、研究期間最終年度に実施できた現地調査により、ポストソ連期の南コーカサスにおける支配政党の存続に、執政制度と議会選挙制度をめぐる動きが大きく影響しているという新たな仮説の可能性が出てきたことで、当初構想していた政府・支配政党本部と議員との分権的関係という仮説に部分的な修正が必要となった。この修正作業が研究期間内に完了しなかったことは残念である。
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Research Products
(2 results)