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2018 Fiscal Year Research-status Report

生活時間情報に基づく地域・季節特性を考慮したワーク・ライフ・バランスの実証的研究

Research Project

Project/Area Number 16K20894
Research InstitutionRitsumeikan University

Principal Investigator

栗原 由紀子  立命館大学, 経済学部, 准教授 (30610589)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2020-03-31
Keywords生活時間調査 / GIS分析
Outline of Annual Research Achievements

平成30年度は,以下の2点について研究を進めてきた。
(1)本研究では,地域差や季節性をふまえた生活時間分析を試みるために,平成28年実施の社会生活基本調査と同時期にWeb調査を開始し,その後ほぼ四半期ごとに異なる季節でWebベースの生活時間調査を実施した。しかしながら,Web調査にはサンプルセレクションバイアスに関する問題などが内在する。そのため,社会生活基本調査の匿名データを仮想母集団とし,サンプルセレクションバイアスの程度をコントロールしながら標本抽出実験を行うことで,補正方法や補正に使用する共変量の組合せに対する補正程度の相違を比較検証し,社会生活基本調査とWeb調査との融合利用のための適切な補正方法を明らかにした。
また,上記の補正方法に基づいて,平成28年社会生活基本調査を補正情報として用い,Web調査による季節性・地域性をふまえた生活時間分析を行った。一例としては,順序ロジスティック回帰分析によって,子どもの夏季休暇期間中や家事子育てのサポートの有無により,有業女性の希望する就業時間の傾向が異なることなどを明らかにした。
(2)社会生活基本調査の調査票情報に関して,1986年から2016年までの7調査時点における地域パネルデータの作成を目指して,データ・エディティング作業を進めてきた。具体的には,分析対象とする30年間において自治体の統廃合があり,また,すべての自治体が毎回調査されるわけではなく各調査回によって調査対象となる自治体が異なり,さらには,年齢や世帯類型で絞り込んだ場合の分析可能世帯数が過小となる自治体も多いため,時点間で連続して観測値が得られる自治体は極めて少ないという問題があった。そこで,自治体ベースではなく,周辺自治体を併合した広域地域区分を作成するためにクラスター分析などを適用して,最適なパネル分析用地域区分の設定に関する作業を進めてきた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

本研究には,政府統計の調査票情報の利用が不可欠であり,統計法第33条のもとで調査票情報利用の申請を行っていたが,申請から調査票情報の提供までに半年以上の期間を要したため,調査票情報に基づく地域パネルデータの作成が計画よりも遅れている。また,地域パネルデータの作成において,調査実施地域が各調査回で異なり,併せて各地域区分のサンプルサイズが過小となる地域も少なくないため,これらの問題を解決しつつ長期時系列地域パネルとして利用可能な分析用地域区分を作成するための方法の検討にやや時間を要した。

Strategy for Future Research Activity

平成31年度は,平成30年度に検討を進めた社会生活基本調査の調査票情報の地域パネルデータの作成方法をもとに,家計調査と全国消費実態調査の調査票情報を用いて家計消費に関する地域パネルデータを作成する。家計調査はサンプルサイズが小さいために,大規模標本調査として実施されている全国消費実態調査をベースに地域パネル化を行うが,社会生活基本調査とは調査時期に2年間のズレがあることから,家計調査を用いて調査時点に関する補正を行う。これらの社会生活基本調査と全国消費実態調査に関する地域パネルデータをリンケージしたのちに,生活時間と家計消費に関する地域パネルデータ分析を進め,時間的消費と金銭的消費の相互作用や,それらがワークライフバランスに及ぼす影響を地域的要因に配慮しながら解明していく。

Causes of Carryover

統計法第33条に基づいて政府統計の調査票情報の貸与を受けることで本研究の遂行が可能となるが,貸与申請と承認の手続きに半年以上の期間を要し,また,地域パネルデータの作成に想定以上の時間を要したため,研究の遂行が遅れており,補助事業費の使用計画の変更が必要となった。平成31年度は,学会への論文の投稿や研究大会での報告など,主に研究発表に係る経費を使用する計画である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2019 2018

All Presentation (2 results) Book (1 results)

  • [Presentation] 生活時間データからみる地域特性について2018

    • Author(s)
      栗原由紀子
    • Organizer
      経済統計学会全国研究大会
  • [Presentation] Web調査データのサンプリングバイアス補正方法について2018

    • Author(s)
      栗原由紀子
    • Organizer
      経済統計学会関西支部定例研究会
  • [Book] 「Web調査による公的統計の拡張可能性:生活時間調査を素材に」『公的統計情報システムの変容とその利活用をめぐって:歴史的・制度的・方法的検討』坂田幸繁編2019

    • Author(s)
      栗原由紀子
    • Total Pages
      30
    • Publisher
      中央大学出版部

URL: 

Published: 2019-12-27  

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