2017 Fiscal Year Research-status Report
RNA編集酵素ADAR1が関与するゲノム安定化機構の解明
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16K20895
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
有吉 健太郎 弘前大学, 被ばく医療総合研究所, 助教 (50462750)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | RNA編集 / ゲノム安定化 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度にクロマチン免疫沈降法(ChIP assay)を用いて、タモキシフェン誘導体4-OHTを処理することによってDNA二重鎖切断を誘導することが可能なHT1080-Ippo1細胞におけるADAR1のDNA切断部位への集積性を検討した。4-OHT処理したHT1080-Ippo1と未処理の細胞をADAR1抗体を用いて免疫沈降し、IPPo1カッティングサイトのプライマーを用いてPCRを行なったところ、4-OHT処理細胞ではクリアなバンドがみられた。しかし、今年度にChIP assayの結果の再現性に問題が生じたため、実験条件の検討を行った。結果、HT1080-Ippo1細胞の4-OHT処理後のDNA二重鎖切断を誘導が不完全な細胞が混在しており、再び細胞をクローニンングする事でChIP assayの結果に再現性が見られた。また、ADAR1がDNA二重鎖切断部位由来の短鎖RNAを介してDNA修復に関与している可能性を検証するため、培養細胞にRNase処理を行い、RNAを分解した際の、ADAR1のDNA損傷部位への集積能の変化をタンパク蛍光染色およびChIP assayを行ったところ、RNase処理した場合にADAR1のDNA損傷部位への集積性が下がる傾向が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ChIP assayの結果の再現性に問題が生じたため、原因追求のために時間を要した。使用していたHT1080-Ippo1細胞を再びクローニングする事で問題は解決したため、現在HT1080-Ippo1細胞を用いた実験を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はHT1080-Ippo1細胞を用いて、DNA損傷後にADAR1タンパク質と結合しているDNA修復酵素(DNA-PKcs, ATM, Rad51等)を探査する。また、RNase処理した場合にADAR1のDNA損傷部位への集積性が下がる傾向が見られたため、DNA損傷部位由来のRNAを介してADAR1が修復に関与している可能性が考えられる。そのため、DNA損傷誘導後IPPo1カッティングサイト近傍の配列をプローブとしてノザンブロットを行うとともに、RNA-ChIPを行いADAR1がDNA損傷部位由来のRNAを介してDNA損傷部位に集積している可能性を検討する。
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