2017 Fiscal Year Annual Research Report
Self-protection of semi-insulated HTS coil for thermal runaway
Project/Area Number |
16K20898
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
土屋 雄司 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (50736080)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 超電導 / 超伝導マグネット / 臨界電流 |
Outline of Annual Research Achievements |
低炭素社会の実現に向け、高温超伝導コイルによる発電・貯蔵エネルギーシステムの開発が急務である。高温超伝導コイルは、資源枯渇に対応した液体ヘリウムを用いない冷凍機冷却システムを用いた運用が期待されており、従来の低温超伝導コイルに比べ、飛躍的に高い磁場での運用も期待されている。しかし、高温超伝導コイルは、その許容電流である臨界電流以上の電流が流れた際に、熱暴走によって焼損するという欠点があり、その検出は非常に困難である。そのため、本研究では、高温超伝導コイルの熱暴走に対する保護方法の開発を目指す。 本年度は、高温超伝導コイルの保護方法に向けた要素開発として、高温超伝導コイルにおける熱電磁気解析に向けた数値計算システムを立ち上げおよび、高温超伝導線材の特性測定手法の開発および高温超伝導コイルの許容電流を増加させるため特性向上に向けた高温超伝導薄膜の作製を行った。具体的には、液体窒素中700A級およびm長級の超伝導線材の大電流超伝導特性評価装置の立ち上げを行った。これを用いて、市販高温超伝導線材の超伝導特性評価を行った。また、立ち上げた数値計算システムを用いて超伝導コイルにおける電磁気数値計算を行った。さらに、不純物導入による高温超伝導薄膜の特性向上を達成し、高温超伝導コイルの許容電流向上に関する指針を得た。 今後、本研究にて立ち上げた超伝導線材評価装置、数値計算システムおよび、得られた高温超伝導薄膜の特性向上の手法を用いて、より高い許容電流を持つ高温超伝導コイルの作製および、実機サイズでの熱電磁気数値計算を行う予定である。
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