2016 Fiscal Year Research-status Report
Quantitative imaging using living tumors to determine the mechanisms underlying the efficacy of the anti-angiogenic drug bevacizumab for cancer therapy
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16K20901
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
濱田 庸 東北大学, 医学系研究科, 助教 (20611958)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | cancer / PAD / angiogenesis |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、すでに作成済みの蛍光粒子に担持可能なタグ付きVEGF・PDGFを用いて細胞増殖能に与える影響をMTSアッセイにて評価し、タグなしのリコンビナントVEGF・PDGFと非劣性の増殖能を持っている事を確認した。また、Boyden Chamberアッセイを行い、タグなしのリコンビナントVEGF・PDGFと非劣性の遊走能を持っている事を確認した。更に、多種の培養がん細胞を用いた担癌モデルマウスと、下肢虚血モデルマウスを作成し、タグ付きVEGF・PDGFを担持した蛍光波長の異なる量子ドットを同時に尾静脈から注射し,in vivo imagingを行う事にも成功した。その結果、腫瘍移植後、3週間・5週間・7週間のマウスにおいて、血管内皮と腫瘍間質におけるVEGF受容体の分布がダイナミックに変化している事が捉えられた。同様の受容体の分布変化は下肢虚血モデルマウスにおいても確認されたが、その定量的変化量は、腫瘍モデルマウスよりも少ないことがわかった。この変化は、マイクロX線CTによって捉えらられた血管構造の変化と極めて良くく相関していた。現在は、CRALITYによる組織透明化後の免疫染色によって、その結果の信憑性を担保すべく実験を進めているが、大きな腫瘍組織や筋組織全体を透明化する手法を見出すのに難渋している状態である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、平成28年度に計画していた段階までは順調に進行しているが、CLARITYを用いた組織透明化、免疫染色の結果は得られていない。しかし、この実験は次年度以降の計画と平行して進めることが十分に可能であり、計画は概ね順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、CRALITYによる腫瘍組織・筋組織の透明化、免疫染色を並行して進めながら以下の研究計画を遂行していく。 ①担癌モデルへの血管新生阻害剤のよる介入と、従来の手法による評価 前年度から引き続き、多種の培養がん細胞を用いて腫瘍モデルマウスを作成し、Ramucirumabによる介入を行う。その後、腫瘍系の減少や、腫瘍内の血管密度の減少などを確認し、治療効果を評価する。Ramucirumabは抗ヒトVEGFR2抗体であるため、マウスのVEGFR2に対しては反応性が低い事が予想される。意図した効果が得られない場合には、サロゲート抗体として、抗マウスVEGFR2阻害抗抗体:DC101を使用して実験を進める。DC101はマウスVEGFのVEGFR2への結合を阻害する事が明らかとなっている抗体であり、メカニズム解明を目指す本研究計画の支障となるものではない。 ②血管阻害剤で介入した腫瘍モデルマウスのin vivo time lapse imagingと検証 担癌モデルマウスに、VEGF量子ドット、PDGF量子ドットを同時投与し、血管新生阻害剤で介入した担癌モデルマウスのin vivo imagingを行う。前年度同様、VEGF量子ドット、PDGF量子ドットの蛍光を定量的にin vivo imagingし、治療介入により、血管構造、血管新生因子の受容体分布が変容して行く機序を解明する。その際、薬剤投与直後から、1、3、5、10、24時間後に、同一マウスでtime lapse imagingし、治療開始直後の新生血管の変容過程を可視化する。また、薬剤投与後から、3、5、7、14日後にin vivo imagingする。
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